編集者の仕事

卓球王国の私の連載の担当編集者の渡辺友くんにはいつもお世話になっている。自分でもちょっと面白くないけどまあいいか、なんて思って原稿を送ると大抵はちゃんと修正依頼が来る。それで、直すと必ずグッと良くなるのだ。もちろん、直すのは私自身なのだが、やはり自分で書いたものはどこが悪いのかなかなかわからない。

来月号には通常の連載とは別に、世界選手権パリ大会の原稿もあるのだが、そのどちらにも修正依頼が来た。メールの文面を抜粋してみよう。

「真ん中らへんの「たとえばここに~・・・~適ったものではない。」の2段落がサービスの重要性への導入と考えると、なくても良いかなと感じました。最後のほうの「サービスの威力~」と「ところで、」の段落が、両方とも、おだやかな正論という感じで印象に残りにくいのでどちらかに比重を置いて、もう少し乱暴に主張しても良いと思います。あと、全体の「試合に生きる練習をしよう」といったお話は他の人でもちょこちょこ聞く話題なのでもう少し条太さんならではの、さらなる掘り下げがほしいです。」

「まず全体的にちょっと説明的で、間延びした感がありました。いつもより展開に抑揚がないなという印象です。特に序盤で、どれほどマーサンがおかしな人なのかが、伝わりきれてないので、もう少しイメージしやすい描写がほしいです。」

という具合だ。なんと具体的かつ詳細な要求だろうか。私が今回嬉しい賞をいただけたのも、このような指導のおかげである。友くんには私から「もう一人の柳澤太朗賞」でもあげたいほどだ。

なお、以前もブログにこのようなことを書いたところ、友くんから「本当は怒っているのですか?」と心配をするメールが来た。そんなことはないので安心してもらいたい。ただ、今回の直しからちょっとだけ逃避してこのようなことを書いているだけなのだ。

こんな顔してまったくなあ。編集者の役割は大きい。

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