先日、学生時代の友人と久しぶりに会った。彼とは大学を卒業してしばらくして2回ほど会っただけだから、まともに遊んだのは卒業して以来であり、28年ぶりということになる。
久しぶりに会うにあたって、お土産として、昔彼からもらった手紙をすべてコピーして持って行った。こいつは私の名前をいつも間違えて「丈太」と手紙にまで書いてくるのだ。
電子メールがなかったあの時代には、重要なことはもっぱら手紙でやり取りをしていた。こういうものが形で残っているのは楽しい。なにしろ肉筆はその人の肉体と精神が反映されたものだから、その情報量は到底電子メールのおよぶところではない。
この悪意を感じさせるほどの乱雑な文字と、愚劣の極みともいえるどうでもいい内容が、彼の人となりを物語っている。
なぜだか全文が英語の手紙をもらったこともある。もちろん日本に住んでいるのにだ。さすがにこのときばかりは気が狂ったのかと思ったものだった。英語とはいえ書いている人間の頭の中身は同じなので、その内容は”CATCH GIRLS”などという単語が散見される愚劣な物であることには変わりがない。おまけに夥しい数のスペルミスがあり、最後の段落の3行目からは突然、”SOREKARA HISABISANI KING CRIMSON GA KIKITAI”などとローマ字になっている。ここで急に力尽きたのだ(笑)。なんたる根気のなさ。なんたる計画性のなさ。そしてこんな不完全なものを友に送り付けて「良し」とする大らかさ。大物だ。
学生時代は教授に「君みたいな学生は見たことがない!」と罵倒され、およそまともなことは何もしなかった彼だが、卒業後はヨーロッパや南アフリカを転々とし、今では私の2倍以上もの高給取りだ。
小学校の頃隣町の妙ちゃんと文通していたのを思い出しました。
ただただ可愛い便箋の手紙を出したくて他愛のないことをしたためていました。
しかし、伊藤さんの友人の英文は、あれはタイプライターでしょうか?
伊藤さん、本当はおいくつなんでしょうか?
私は49歳です。あの友人はどっかおかしかったのです。
あれは80年代以前、ファックス登場前に、商社・貿易会社で使っていたテレックスという代物です
当時は既に固定コストだったのに、一文字イクラの因習が残っていてThank You Very MuchをTKVM等と打っておりました
ハンブルグの怪人より
おお本人のお出ましか。それでは、なぜ英語で手紙を書いてきたのか説明してもらおうか。