松田聖子の歌

学生時代からずっと主張していて、誰の賛同も得られたことのない説を披露しよう。

松田聖子の「Rock’n Rouge」という歌がある。

若い男女の恋愛についての歌なのだが、その中に「キスは嫌と言っても反対の意味よ」というフレーズがある。言葉にこだわる私としては、この歌詞がどうにもひっかかるのだ。もちろん作者の意図はわかる。恥じらっている女性が本当はキスをしたいのにそれが言えず「嫌よ」と反対のことを言っているという状況だろう。それはわかる。

しかし私には「反対の意味よ」というところが、言っていること自体が反対なのではなくて、その背景や理由が反対だと言っているように聞こえるのだ。つまりこうだ。「キスは嫌よ」という言葉自体は本心だ。しかし、その意味するところは、通常ならば「まだそこまで進みたくない」というものだろう。それが反対だということはすなわち「キスなどというヌルいことをしてはいられない、すっ飛ばしてその先に行きたい」と言っているように聞こえるのだ(そんなバカな歌があるかどうかは別にしてだ)。

もしこの歌詞が「キスは嫌と言うのは嘘よ」とか「キスは嫌と言うのは本心じゃないの」とでもいうものなら誤解の余地はなかっただろう。しかし「反対の意味よ」というフレーズがなんとも意味深で、誤解の余地を残すものになっていると私は思うのだ。

私は松田聖子のファンではなくレコードもCDも持ってはいなかったが、カラオケなどに言って誰かがこの曲を歌うたびに、酔った頭で「おっほほ、反対の意味か。それはそれは」などと思っていたものだった。しかしこの説は誰に言っても賛同されたことはなく「どうかしている」と言われるばかりであった。より多くの人に自説を披露する場を得た今、賛同者が少しでも増えないものかと期待している。

また書いてしまいました。大橋先生、ごめんなさい。

松田聖子の歌” への 7 件のコメント

  1. じょうたさん、はじめまして。
    いつも楽しくブログを読ませてもらっています。

    さて、本エントリーの歌詞の解釈について、私も『それ以上』を意味していると思っていました。

    私は周囲の人に意見を聞いた事はありませんが、よもや、その解釈が分かれているとは、思いもよりませんでした。
    新鮮です!

    1. それは・・・私よりも「どうかして」いますね(笑)。私は作者の意図は十分わかった上で、あえて文章が誤解を招くことにつっこんで楽しんでいるのであって、まさか本気でそんな歌だとは思っていません。解釈が分かれているわけではないと思いますよ。
      10代の女性アイドルにそんな発情しきったような歌を歌わせるなどもっての外です!でも、意外と作者はこういう誤解を誘うためにわざとあの歌詞を書いたのだったりして。確かめてみたいものです。

  2. いつもブログを楽しく拝見しています。
    私も松田聖子のファンではありませんが、私は素直?に考えていて、条太さん(達)のような解釈が有るとは考えもつきませんでした。
    勝手にシンドバットの「砂混〜じりの茅ヶ崎」を「砂混じりの血がさっき」・・・さっきどうしたんだ?と考えて結局結論が出なかったのを思い出しました。
    空耳アワーではありませんが、そのような勘違いアワーネタも楽しみにしています。

    1. 「血がさっき・・・」ですか。それはストレスたまりますね。答えのない謎の歌だったわけですね(笑)。

  3. 初めてコメントします。
    勘弁して下さい。おもしろすぎます(禁16)
    この種のネタは条太さんの常套手段ですね。
    下ネタを連発すると言うことは、本ネタが苦しくなったかな?

    1. これはこれは・・・ようこそゼッコウチョーさん・・・。
      お喜びいただけましたでしょうか。苦しくなったというよりはもともと好きなんです。
      王国という雑誌がらを考えて我慢をしている次第でして。ハイ。

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