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いよいよ来週は全日本

今年も全日本のダイジェストDVD『ザ・ファイナル2014.1』の監督をしに全日本の会場に行くことになった。今年の全日本は、なんといっても男子がすごい。なにしろ世界ランクが高い選手が多い。水谷13位、健太16位、丹羽18位という凄さだ。年々進化している世界の卓球にあってこの世界ランクなのだから、絶対実力において、間違いなく日本卓球史上最高のレベルだ。しかも水谷は6回目の優勝がかかっているし、健太は世界ベスト8だし、丹羽は2連覇かかかっている。この3人の他に大ブレイク中のカットマン塩野に、世界選手権代表選考会優勝の岸川、さらに大矢、高木和と続く。もう恐ろしいばかりのレベルなのだ。バカバカしいほどのスーパープレーが撮れることだろう。

正直に言おう。これだけのハイレベルのプレーなら(まだ始まってないが)、どう撮影しても面白くなるだろう。それをさらに面白く度肝を抜くような作品を作りたいと思っている。BGMも今回はオリジナルの制作を手配しているし、準備は万全だ。

ところで今年の全日本では、なかなか面白い試みがなされる。会場でFM電波を飛ばして解説などを聞くことができるのだ。ラジオは会場でも若干貸すようだが、持参してイヤホンで聞きながら試合を見るのがよいだろう。なにしろコートが30台近くもあるのだから、これは便利だ。私も聞きたいくらいだが、残念ながらそういう余裕はないだろう。

以下が詳細案内だ。今年の全日本は面白いぞー。「どうすっかなー」なんて迷っている人は行くこと!

受信周波数 77.6MHz
放送予定時間
・1月17日(金) 10:30 ~ 16:30
・1月18日(土) 10:00 ~ 17:30
・1月19日(日) 10:00 ~ 16:30                               

ヘソから焼きそば

高校生の息子たちはいつも私の冗談が面白くないと言う。何か言うと「それ、本当にやばいって」と真顔で注意をされる。と言われても私も自信があるので全然気にせず「こいつらにはわからんだろうな」と余裕をもって対応をしている。

それではその息子たちが面白いと思う冗談は何かというと、「正月に親戚の家に行ったら大量の料理が出てきて、親戚のおじさんが食いすぎてヘソから焼きそば出したまま死んだ」というものだ。これを学校の友達に話して、みんなで5分ぐらい笑い続けたという。

まあ、情景を想像するとちょっと面白い。

新刊『先生、できました!』

卓球王国から初の一般書籍『先生、できました!』が発売された。この本の出版には私も間接的に関わっているので、出版までの経緯を紹介したい。

10年ほど前、私が近所の中学生の指導を始めたとき、指導方法についてビデオを大量に買って研究をした。何万円か費やしたと思う(すべてヤフオクの中古だったところがセコいが)。その中で、ダントツに参考になったアイディア溢れるビデオが大橋宏朗という人のもので、北海道で公立中学校を全国大会の決勝まで導いたという実績の持ち主だった。

時は流れ、一昨年のあるとき、今野編集長から「初心者用の連載をしようと思っているが良い指導者を知らないか」と聞かれたとき、迷わず大橋先生を薦め、ビデオ11巻分をDVDに詰め込んで送り付けたのであった。今野さんはもともと大橋先生を知っていはいたそうだが、音信が途絶えた状態、つまり忘れていた状態だったので、私が思い起こさせることになったわけだ。

その後、大橋先生の指導は卓球王国での特集や単項本やDVDとなって好評を博したが、今野さんにはもうひとつの野望があった。それは、狭い卓球界だけを対象にするのではなく、広く一般の読者を対象に本を出したいというものだった。出版社であるからにはそれはひとつの夢であるし、なによりも大橋先生の指導論、教育論にはその価値があることを確信したためだった。

かくして昨年の夏から秋にかけて、今野さんの頭の中は大橋先生の本のことで一杯になり、電話をするたびにほぼ一方的にその進捗の報告を受ける状態となったのであった。今野さんは、大橋先生の考え方がどれだけユニークでありかつ感動的かを説明してくれ、いつしか私も読んでもいないのにその本の魅力に取りつかれ始めた。それほどの本ならぜひとも多くの人に読んでもらいたいから、絶対に良いタイトルをつけなくてはならない。タイトルのインパクトがなければ読者の手に取ってもらえず、読んではもらえないからだ。

タイトルはすでに決まっているというので、私は恐る恐る今野さんに聞いてみた。それは『伸びる力、伸ばす力』というものだった。私は「それはダメです。考え直した方がいいです」と、いつになく辛辣に言ってしまったが、今野さんも内心しっくりきていなかったらしく、実に素直に「やっぱりそうだよね」と考え直すことになった。「条太さんも考えてみてね」「私、一行も読んでないんですけど」「あそうか。でも読まなくてもわかるでしょ。もうさんざん話したんだから」それもそうだ。

「考えてみます」とは言ったものの、実は私の方にも野望がある。自分の本を出すことだ。大橋先生の本のタイトルを考えつつも、自分の本のタイトルを考えてしまい、今野さんにメールをしては「それはいいから」となだめられる日々であった。

そうこうしているうちに大橋先生の本のタイトルを決める期限の日が来た。私の考えるよいタイトルのイメージは「意味は分かるが状況が良く分からない」タイトルだった。これが「なんだ?」と思って手に取りたくなるものだと考えるからだ。意味が分からなさすぎてもわかりすぎてもダメだ。中途半端にわかるのがよい。少なくとも私ならそういうタイトルの本を手に取りたくなる。だからたとえば、本の中に出てくる誰かの台詞をそのままタイトルにするのがいいのではないかと今野さんに言っていたのだが、どうも今回の本にはそういう台詞がないという。

そこで、期限の日「探せばどこかにあるでしょう、たとえばこんな感じのが」という意味で「『先生、できました!』なんてどうでしょう」とメールをしたのだった。別に良い案が浮かんだとは思っていないのであくまで一例のつもりだったが、結局、編集部内の投票によって、40以上も考えたという今野さんの案を蹴散らしてダントツでこの案が当選を果たしたらしく、夕方「当選おめでとうございます。この喜びを誰に報告したいですか」という少々イタい感じのメールが来た。「嬉しいです。次は私の本もお願いします」と返事をしたのは言うまでもない。

以上のような経緯で、私がこの本の名付け親になったのだった。もちろん内容も面白い。面白いが、大橋先生の情熱といおうか能力がすごすぎて、とてもじゃないけど真似はできそうにない。ただ、生徒を誉めまくる大橋先生も、若い頃はスパルタで生徒にボールをぶつけたりしていたそうだから、根っからの人格者というわけでもなさそうなところが安心させられる。

ちなみに、大橋先生は北海道で教員をしているのだが、大学は東北学院大学で私と同じ仙台である。そればかりか、なんと学年も同じで、同じ時期に同じ大会に出ていたはずなのだが、お互いに知らないのだ。私はレギュラーではなかったから知られていないのは当然としても、大橋先生は結構実績があったらしいのだが、私が3年から入部したことと、そもそも部活に熱心ではなく、大会すらサボってロクに参加しなかったのがその原因であろう。そのあたりを含め、全日本の会場でお会いして積る話をさせていただきたいと思っている。

息子たちの苦悩

大学受験を控えた双子の息子たちが、夕食後に漢文の難しさを興奮しながら語り合っていた。

「”どうして○○しないでいられようか、いや、ない”なんて、現代文読んでも何言ってるか全然わからないよな!」「”Aで○○なのだからBならなおさらだ”とかヤバすぎ!」と盛り上がっていた。

苦笑。つくづく言葉は論理なのだなあ。大学はどこでもいいから他人に迷惑をかけないよう分をわきまえて生活できるようにだけなってほしい。

近代バーベキューの父

昨日、漫才番組を見ていたらちょっとひっかかるネタがあった。チュートリアルというコンビなのだが、ボケの方がバーベキューをするときに串に刺す具の順番についてやたらとこだわり「近代バーベキューの父トーマス・マッコイによれば」とか「その刺し方はニューヨークスタイルだ」とか言ったりして笑いを誘っていた。

この「近代バーベキューの父トーマス・マッコイ」というフレーズがあまりにももっともらしいのでとてもおかしかった。よくそんなこと思いついたものだと思ったが、実在しそうな名前なので、有名人からとったのだろうと思ってネットで調べてみて驚いた。本当にいるのだ「近代バーベキューの父、トーマス・マッコイ」が。そのサイトから引用しよう。

「近代バーベキューの父」とよばれるアメリカの学者。BBQの串の具の順番の研究で大変に有名。栄養のバランスがよくヘルシーで飽きのこない並びを多く提唱した。このような並び順は現在では「ニューヨークスタイル」と言われている。

<ニューヨークスタイルの例>

ピーマン・シイタケ・エリンギ・タマネギ・ホタテ・・・現代の流行を表す際に多用される組み合わせ。野菜が多くヘルシー

ピーマン・タマネギ・タマネギ・タマネギ・タマネギ・タマネギ・オニオン・・・玉葱ばかりだが玉葱好きにはたまらない串

ピーマン・ウインナー・鶏肉・トウモロコシ・ホタテ・・・マッコイが提唱したNYスタイルの定番。魚肉の比率が多いが比較的ヘルシーで飽きの来ない並びになっている

ピーマン・エリンギ・トウモロコシ・トウモロコシ・鶏肉・なすび・・・おなすでシメることで、近代バーベキューの発展の可能性を感じさせる一串。

<ダメな例>

肉・ピーマン・タマネギ・肉・ピーマン・タマネギ・・・単調にて愚鈍。こんな串はいまどき収容所でもつくられていない

ピーマン・ウインナー・トウモロコシ・レンコン・エリンギ・エビ・・・NYスタイルを意識したものだが、ウインナーとエビという組み合わせがダメ。トウモロコシとレンコンで追い討ちをかけている。

どうだろうか。なんか、冗談ではないかと疑わせるフレーズもあるが、どうも本気のようである。その漫才では、具の並びを含めてかなりの部分、ここに書かれている通りのことを言って会場の笑いを誘っていたのだが、バーベキューを真面目に研究している人たちからすると「貴様ら何が可笑しい!」と腹が立ったのではないだろうか。もしかすると卓球についてのノウハウも、そのままリアルに言うと漫才のネタになったりしないかと不安になった。

それにしても、漫才でもオチに使っていたが、玉葱が5個続いた後にオニオンとは・・・いったいどういうことなのだろうか。ギャグとしか思えないのだが、トーマス・マッコイの記事は2006年のサイトにも書いてあるし、やはり本気なのだろう。いやはやいろいろな人がいるものだ。私も負けてはいられないと正月から決意を新たにした。屁理屈をつけて「卓球の試合の美しいスコア」でも提唱するか!それだけを軸にすべての試合を論評したりして。「8-6というスコアがダメ。こんなスコアが許されたのは70年代まで。今どき小学生でもこんなセンスのないスコアにはしない」とか。

と、ここまで書いてから不安になってまたネットで調べると、チュートリアルのこのネタは2006年以前からやっている古いもののようで、どうもこのトーマス・マッコイは実在せず、彼らの創作のようである。少なくとも実在する証拠は見つからなかった。さすがにそうだよなあ。玉葱、オニオンじゃなあ。

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