卓球王国編集部のバイトの伊藤くんは、ブログに載せてほしいと言った後に、ある質問をした。
「僕も条太さんのように面白い文章を書けるようになるでしょうか?」
初対面とは思えないこの異常な質問に「わかるわけないねえ」と急ため口で答えてやったことは言うまでもない(たぶん無理だな)。
卓球王国編集部のバイトの伊藤くんは、ブログに載せてほしいと言った後に、ある質問をした。
「僕も条太さんのように面白い文章を書けるようになるでしょうか?」
初対面とは思えないこの異常な質問に「わかるわけないねえ」と急ため口で答えてやったことは言うまでもない(たぶん無理だな)。
私は長らく「日本でひとりの卓球コラムニスト」と名乗っていたのだが、最近は卓球が注目され、卓球関係のライターも多くなってきている。今年の全日本選手権のときに卓球王国編集部から「高樹ミナという卓球ライターがいる」と聞かされ、ライバル心やら興味本位やら「俺に断りもなくか」やらで、どんな人なのか一度お会いしたいと思っていた。
記事を読んでみると、卓球をしていた方ではないらしく、卓球そのものよりは、選手の情報や試合結果などに重点がおかれてあり、ちょうど私の得意分野とうまくズレているところが安心させられた。
今回、日本卓球協会の常務理事を退任された沖さんのご紹介で食事をすることとなった。
高樹さんは、抑制の効いた常識的な感じの記事からは想像もつかないようなオタクの人であり、人生も私などよりずっと冒険的で思い切った方なのであった。
私は逆に、文章からハチャメチャな人物だと思われているようで、最初から半笑いで近づいてくる人も多いのだが、実は私の場合は見せかけだけなので、それとは逆である。
高樹さんは卓球経験がないため、卓球の勉強をする過程で私の記事を読み、面白いと思ってくれたそうだ。素晴らしいオタク少女である(大人だが)。
沖さん含め、お互いに得意分野の卓球界裏話を披露し合いながら5時半から終電まで飲んだが、まるで途中でUFOにさらわれて記憶をなくしたかのような、あっという間の6時間であった。
昨夜は、今月からタクティブに入社した佐野さんという方と食事をした。
任天堂から卓球界に転身をするということで以前、メールで相談を受けたのだったが、この度、入社をしたという報告を受け、お会いするに至った。
その卓球熱は大変なもので、とにかく卓球に関係する仕事は何でも楽しくて仕方がないという。
佐野さんはツイッターで私のことを「卓球マニア界のレジェンド」と書いてくれて、私も「うむ、そうだな」などと気をよくしていたのだが、佐野さん含め、どうも私のファンの方々は、実際にお会いしてみるとそのマニア度が私よりもはるかに上であることに気がついた。
私はその「濃すぎる原液」を一般人用に薄めて紹介しているのに過ぎないのだ。
と思ったが、よくよく考えてみると、お会いした方々というのは、単に私のファンであるのみならず、私に直接メールで連絡をしてくるぐらいの、物凄~く偏った人たちなのであるからして、決して普通のファンではなく、濃いのも当たり前なのであった。