マーボ焼きそばの人と祭りの話

このブログに最初にマーボ焼きそばのことを書いたのは昨年の今頃のことだ。出張先の飲み屋の常連客から聞いたのだった。昨夜、同じ飲み屋でその人と話したのだが、偶然にも彼は前日に自宅でマーボ焼きそばを作ってみたばかりだという。

ところが豆腐の量を間違えたとかで、味が薄くなり、しきりに後悔しているのが可笑しかった。450gであるべきところが何gにしてしまったとかで、スマホに収めた写真まで見せてくれた。

この方は大手の立体駐車場メーカーの執行役員だそうだが、一体何をやっているのだろうか。

彼からは他にも面白い話を聞いた。営業トークにおいて禁句が3つあるそうで、それは「政治」「宗教」「祭り」だという。政治と宗教はわかるが、祭りが禁句とはどういうことだろうか。

なんでも、世の中には祭りに異常に入れ込んでいる人たちがいて、中途半端なことを言うと怒りを買うのだそうだ。実際、彼は最近、ある飲み屋で祭りについて話したところ、相手の男性から「その程度の知識で祭りのことをとやかく言うのは私の前だけにしておいた方がいいですよ」と後を振り返りながら小声で言われたという。

いったいどういう世界だろうか。疑問に思った私は「世の中には祭りに命をかける人たちがいるのは知ってますけど、そんな人たちは人口の1%もいないでしょうに」と言うと「いや、20%から30%はいますね」と店のマスターが割って入った。なななな。

さらにもうひとりの女性客が「私は、神輿を担がないのは祭りとは認めないからね。担がないならただのイベントだからねそれは」と言った。

なんだなんだなんだ、と思ったら実はこの店界隈は、江戸時代からの古い歴史ある宿場町であり、そういう土地柄なのであった。ああびっくりした。

というわけで、これ以上余計なことは言わない方がよさそうだと思い、おとなしく焼酎を飲んだ夜であった。

マーボ焼きそばの人と祭りの話” への 7 件のコメント

  1. 祭りについて、うっかり語ると、血祭りになるのかっ!なんか、筒井康隆の小説にこんなシチュエーションがあった気もする。「マグロマル」だったか、…

  2. 新潟県長岡市には「イタリアン」と言うミート焼きそばが有ります。古くからのソウルフードらしく、ミート焼きそばでしょ?っていくら言ってもイタリアンだと言い切ります。今後マーボー焼きそばはどうなっていくんでしょうかねー?

  3. ちなみに、日本の臨床的精神医学の第一人者木村敏によると、そもそも人間の生きられる時間体験(クロノスの時間ではなくカイロスの時間だろうが)が、祭りの前としてのアンテフェストム、祭りの最中のイントラフェストム、祭りの後のポストフェストムに分けられるらしい。祭とはかくも重要なコンセプトなのだ!卓球大会は、まさに、イントラフェストム!

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