素振り

卓球人なら誰でも、日常生活で卓球の素振りをしてしまうことだろう。私も歩くときなどほとんど無意識で素振りをする。素振りといっても、実技向上のための素振りではなくて、ただ、インパクトの感じを想像して楽しむだけのものだ。

私はシェークの両面表なので実戦ではドライブなどしないのだが、やはり素振りとなるとドライブをしたくなる。ペンのバックハンドとかフリックもやる。自分の戦型とちがう素振りをしたくなるのはよくあることで、学生時代の仲間も、ペンのやつにかぎってシェークに持ち替えて奇妙な素振りをしていたし、シェークのやつもペンに持ち替えてあらぬ素振りをしていた。

そういうわけで私も、ここ最近は高島さんの切り下ろすカットに凝っていて、カットマンでもないのにときどきズバッと切り下ろしている。先日これを仕事中にやってしまったところ、私が何か重要なものを見つけて床を指差したと思われ、注目されてしまった。あらためてそのときの格好を検証してみると、たしかにこれはまずい。どう考えても床を指差しているようにしか見えない。しかもカットとしても中途半端でダメだ。だいたい、グリップが誤解のもとだ。もっとも、ペンだとOKサインか金銭、あるいは大仏様と誤解されるだろうから、それよりはマシだ。

どうせなら膝が床につくくらいにすれば誤解を生むこともなく良かったかも知れない。