ワルドナー特集のあとで恐縮だが、ペンサコーラという町に行って久しぶりに試合に出てきた。結果は、42人中の4位で、まあまあの出来だった。
きつかったのは試合数で、最初、7人の総当りをし、その後に結果に応じて6人の総当りをやり、さらに上位の4人でトーナメントをやるのだからたまらない。きっちり12時間かかり、私は13試合もやらされた。私は特に体力がない方なので、最後の試合が終わったときはあまりに疲れて吐きそうだった。
先日ブログに書いた、ドイツから留学に来ている高校生のマイケルともやったが意外に強く、負けてしまった。マイケルは胸にでかでかと「人生卓球」と漢字で書いてあるユニフォームを着ていたが、なんとこれはドイツで所属していたチームのユニフォームなのだという。高橋発行人でもあるまいし。案の定、意味は分かっていなかったので教えると「クールじゃないか」と言っていた。そうかや。
なお、マイケルは別に卓球留学にきているわけではない。たまたま普通の留学に来てから卓球をする環境があることがわかってやり始めただけだ。そもそも、アメリカに卓球留学に来るバカはいないだろう。
会場でみんなの注目を集めた選手がいた。名前は知らないが、グリップが異常なのだ。中央の写真だが、これはラケットを反転している途中の写真ではない。これが彼のラリー中のグリップなのだ。あえていえば「極浅の鷲づかみペンホルダー3本掛け」であり、おそらく世界卓球史上どこでも見られなかった異常なグリップである。ブロックはいいとして、このままでサービスや、あろうことかフォアハンドのスイングまでするのだ(当然、目も当てられないフォームだ)。裏面には粒高が貼ってあり、ときどきフォアのボールをこのグリップのまま裏面でカットをするのだから洒落ている。さらに可笑しいのは、バックに来たボールをときどき攻撃するのだが、そのときだけは普通のペンホルダーに持ち替えてしかも裏面打法になるのだ。確かにこのグリップのままじゃ攻撃は不可能だがそれにしても・・・。
さらに、ラケットをもって歩くときにも普通のペンホルダーなる。なんだが、わざと異常なことを目指しているような気さえしてくる。そもそもこのグリップの目的が皆目見当がつかない。本人はしきりにラケットの角度を気にしているようで、バックブロックのとき、フリーハンドをラケットにそえていた(福士敏光の「ショートのときはラケットを台に摺れ」という主張を思い出した)。また、反転するときもフリーハンドの助けを借りていた。そのあたりにこのグリップの「設計思想」があるのだろう。指導者もいない自由の国アメリカとはいえ、さすがにここまでの人は珍しく、みんな笑いを堪えながらこの人のプレーを見ていた。
これで強かったら驚愕するのだが、さすがに弱かったので安心してほしい。
他にも、帽子をかぶって試合をする人がいたりするのはいつもの通りだ。