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ミントと塩味のヨーグルト

腹をこわしたついでに思い出した。15年ほど前にイランに旅行をしたとき、生水を飲んではいけないとガイドに言われていたのに、つい氷入りのコーラを飲んでしまった。

その夜から激しい嘔吐と下痢が始まり、翌朝はほとんど瀕死の状態だった。ホテルの人が「吐いているときにはこれが良い」と言ってもってきたのが、どんぶりいっぱいの飲むヨーグルトで、これがなんと塩味。しかも表面にミントの葉が浮いている。気持ちが悪かったが、吐き気に良いといわれて藁をもつかむ思いで全部飲んであっという間に吐いた。正常なときでも吐いたかもしれないほどひどい味だった。

最近妻がアメリカ人に、お腹の調子が悪いというと、「それならこれよ」と、ミント味のクッキーをくれたのだという(もちろん妻はますます気持ち悪くなった)。イランとアメリカではずいぶんと文化が違うはずだが、ミントがこういうことに効くとされている点だけは同じようだ。

そういえばイランで腹を壊したとき、一緒のツアー客のひとりが梅干を出してくれた。ありがたく思って食べようとすると、ホテルの従業員が先に味見をして、予想通りものすごい顔になって「こんなの食ったらダメだ」と言った。そして持ってきたのが例の塩味ミントヨーグルトだったのだ。具合が悪くて可笑しいどころではなかったが、後で思い出して笑おうと思ったものだ。

TMI

月曜の朝から下痢が始まり、結局、二日間寝込んでしまった。原因はよくわからないが、同じものを食べている家族がなんともないので、たぶんそういう性質の風邪だろうと思う。

火曜朝の時点で、体重が3kgも減っていたのには驚いた。ついでだからこのまま維持しようと思う。

今朝、会社に行って、ゲイリーにいかにひどい下痢だったかを話すと(今気づいたが駄洒落じゃないぞ)「分かった。ジョウタ、TMIって知ってるか」といわれた。知らないと言うと「そういう話のことをToo much information、つまりTMIというんだ」と言われた。

なるほど。まあ、またひとつ新しい英語を覚えたから良しとしよう。

バリさんとの邂逅

今月発売号にバリー・ヘイター、通称バリさんのことを書いた。

実は、居酒屋でインタビューをする前に、編集部の練習会にバリさんを招き、練習をしたのだった。バリさんはみんなより1時間ほど遅れてきたが、台につくなり水平度の調整を始めた。あまりに評判どおりの行動に、喜んで写真を撮った。

一番弟子の戸田からはバリさんの卓球について「試合で点をとるために必要な技術以外は何ひとつ身につけていない」究極の実戦的卓球であることを事前に教えてもらっていたが、試合をしたらやはり簡単に負けた。

編集部の渡辺くんや佐藤くんなどはちゃんとバリさんに勝って面目を保っていた。また、偉関絹子さんももちろん勝っていた。

インタビューのとき、奥さんとの馴れ初めも聞いたのだか、バリさんは「私、男女の区別しないんデスよ。いや、ヘンな意味じゃなくてね」と言ったのが可笑しかった。誰もそんな勘違いしないって(笑)。日本語が流暢にもほどがある。

それにしてもバリさんの卓球への執念は深い。卓球への執念の根拠に戦争体験まで持ち出されては、並の選手はとても適わない。

小さな家

同僚のデビッドが、裏庭に小さな家を建て始めたのはもう2年も前のことだ。

なんでも、そういうミニチュアの家の設計図が売っていて、そのとおりの寸法の材料を揃えて自分で建てるのだという。奥さんが小さいころに自分の部屋がなかったので、その心の隙間を埋めるために作ってやっているという。

ときどき思い出したように少しづつ作業をしているので、2年かかってもまだ完成はしていないが、ほぼ出来上がったということで、先日、見に行った。なかなかに面白い。しかしお金は予想以上にかかり、業者に建ててもらった方が安かったのではないかと今では思っているらしい。

人形俳句写真『狆』

義姉が、ギャラリーGという施設から薦められて、個展を開いている。http://www.gallery-g.jp/news.html

いろんな人たちが入れ替わり立ち替わり現れて、新たな仕事の依頼をされていて「疲れているのに頭が興奮して睡眠薬飲んでもちっとも眠れない状態」だそうだ。

かなりの興奮状態のようだ。

写真の「狆」は「ちん」と読むらしいが、意味はわからない。

ビートルズマニアの世界

ビートルズのマニアの世界をご紹介しよう。私もビートルズマニアだと思うが、上には上がいるもので、もうぜんぜん敵わないマニアたちがこの世界にはいるのだ。

私が尊敬しているビートルズ研究家にマーク・ルイソンという人がいる。この人は本当にすごい。まずこの人、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが初めて出会った日を特定したことで有名になったというのだからなんともはや(笑)。二人が出会ったのは、ある教会のバザーでジョン・レノンが自分のバンドでコンサートをしたときだというのがそれまで分かっていたことだったが、それがいつだったかは長い間、知られていなかった。マーク・ルイソンは、その地域で発行されていた小さなチラシみたいな新聞を丹念に調べ上げることを思いつき、その結果、該当する日が1957年7月6日しかないことを発見した。それ以来、あらゆる資料には、この日が二人が出会った日として公式に採用されるようになった。

彼の書いた本、『レコーディング・セッション』がこれまたすごい。マーク・ルイソンの情熱はビートルズ関係者にも認められており、彼は、残された何百時間というすべての音源を聞くことの許されたビートルズ関係者以外で唯一の人物である。その立場を利用して書いたのがこの本だ。

なんとこの本には、ビートルズがスタジオに入って録音したすべての日の録音内容が克明に記録されている。ただ詳しいだけの記録なら、実はそう面白くもない。ところがこのマーク・ルイソン、抜群に面白く書く才能があるのだ。だから、こんな気が狂ったように詳細なレコーディング記録集でも、とても面白いのだ。しかも驚くような新しい発見に満ちている。名作『ラバー・ソウル』の題名の由来は長い間メンバーも語らず謎とされていたが、これを解明した下りもこの本に記されている。ある曲の演奏の後に、ポール・マッカートニーが他のメンバーに向かって「黒人ミュージシャンがローリングストーンズのミックジャガーのことを偽物のソウルという意味でプラスティック・ソウルとバカにしている」と話していることを発見したのだ。これをもじって『ラバー・ソウル』としたという発見が、これまた彼の仕事なのだ。

まったく素晴らしい、マニア必携の一冊だ。

これはスタジオでのレコーディングだけに関した本だが、マーク・ルイソンは、この後、ライブやその他の活動を含めた『ビートルズ全記録』という上下2冊の大著も出している(笑)。まったくとんでもない奴である。

足の指

昨日の朝、更衣室でヘイステンという人が、足の指が分かれている靴下を履いているのを見た。ヘイステンはこれをtoe socksと言った。toeといえばつま先だとばかり思っていたら、そうではなくて足の指のことだという。

英語では手の指はfingerだが、足の指はtoeであり、fingerとは言わないのを初めて知った。日本語では同じ単語を使うのに英語では別の単語があるというのは他にもあるだろう。

その逆もある。たとえば兄、弟だ。英語では兄はolder brother(年長の兄弟)という説明的な熟語が必要であり、兄を一言で表す言葉はない。年功序列がない文化だから兄と弟を区別する必要がないのだろう。また、日本では水と湯があるが、英語ではどちらもwaterであり、温度の違いを表すためにはhotとかcoldとつけるしかない。

カブトムシは英語でbeetleだが、beetleを辞書で引くと、クワガタだろうがカナブンだろうがああいうのを全部ひっくるめてbeetleなのだからがっかりする。たぶん、マニア以外は昆虫にあまり興味がないのだろう。もっとも日本人だって、もしカブトムシやクワガタといった魅力的な虫がいなくて、カナブンやゲンゴロウばかりだったら、区別する名前をつけずに「甲虫」ですましていたかもしれない。

ビートルズのリマスター盤が届いた

宮根さんよりだいぶ後に注文したのに、結局、同じ日に届いたので、宮根さん、かなり悔しそうだ。

さっそく聴いてみたが、実感したのは、やはり音楽にとって音質はさほど重要ではないということだ。音は良くなったのだろうが、旧盤と聴き比べるつもりはない。聞き比べなくてはわからないような違いがわかったところでどうだというのだ。声がクリアになったとかベースの音の輪郭がはっきりしたという程度のことは、もともとビートルズの音が持っていた魅力に比べれば小さなことに過ぎない。リマスターではなくてリミックスでもしてくれたというなら買ってやってもいい(もう買ったけどな)。

結局、音質はどうでもよく、あらためてビートルズの曲を聞き込むことになった。解説と付録DVDとボックスのために買ったようなものだが、まあ、それでいい。それにしても、この会社にいる日本人14人のうち、2人も買ったのだから売れるわけだ。

ついでに、ビートルズ初心者であるアキラくん用にベスト盤CDを作って宮根さんに披露すると、宮根さんも別のベスト盤を作る意気込みだ。どちらがアキラくんの気持ちを動かすか勝負だ。二人で若いアキラくんを取り合っているような気分だ。

値段とカロリー表示

アメリカの巨大スーパーである、ウォルマートでは、食品の値段表示がなかなか面白い。普通の値段の他に、内容物の重さ(オンス)当たりの値段が表示されているのだ。だから、大きいサイズの袋を買うと割安になるということが数字で分かる。これは便利な表示だ。

こういうところは厳密なくせに、カロリー表示になるととんでもない欺瞞がまかり通る。それぞれの袋にカロリーが書いてるのだが、それは袋全体のカロリーではなくてserving当たり、つまり「1食分」のカロリーなのだ。そして困ったことにこの1食分というのは特に明確な規定がなく、食品ごとに勝手に決めてよい量なのだ。たとえば、バカでかいポテトチップスの袋に150カロリーと表示してある。よくみるとこれは1食分が150カロリーということであり、別の段にポテトチップス15枚で1食分と書いてある。そして、この袋は全部で11食分であることも書いてある。つまり本当はこの袋は全部で150カロリー×11食=1650カロリーなのだ。すべての飲食物のカロリー表示がこの調子で、一見すくないカロリー表示がされていて、全体のカロリーは計算しないとわからないようになっているのだから、まったく油断も隙もない。

これら、重さ当たりの表示、少なめのカロリー表示は、とにかく客に多く買わせたいという共通した目標に貫かれている。

ビートルズの曲の人気投票

日本ではビートルズのリマスター発売ということでずいぶんと大騒ぎをしている様子がネットから伺われる。NHKでも特集をやったとかで、何事かと思う。ファンじゃない人はさぞ冷めた目で見ていることだろう。まあ、ゲームに興味のない私がドラクエだのXboxだのの発売の大騒ぎを見るのと同じようなものだろう。

興味深かったのが、ネットで行われたビートルズの曲の人気投票の結果だ。http://event.yahoo.co.jp/beatles/vote/index.html
それによると、1位はダントツで「レット・イット・ビー」、2位が「イン・マイ・ライフ」、3位が「ヘイ・ジュード」だという。これは、一番好きな曲というよりは、知っている曲を投票した結果だと思われる。いわゆるビートルズファンで、「レット・イット・ビー」や「ヘイ・ジュード」が一番好きということは、経験上、まず考えられないからだ。

これも、知名度を反映した国民投票には違いないが、これなら、やるまでもないような気がする。

投票の前にビートルズに関連する最低限の知識の問題に答えないと投票できない、ビートルズファンだけの人気投票をしたら一体どんな結果になるのか興味深いところだ。とはいえ、自分なら何に投票するかと考えてみると、到底決めることができず、投票できないような気もする。「オール・マイ・ラヴィング」「ヘルプ!」「アンド・ユア・バード・キャン・シング」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の優劣などどうやってもつけられないし、もっとも好きなアルバムはこれらのどれもが含まれていない『ラバー・ソウル』なのだから、まったく呆れるほど巨大なグループである。

ここドーサンのスーパーではリマスター盤が$14ほどでひっそりと売られていたが、足を止める人はいなかった。