リサイクル

暑いせいか、庭の芝生が伸びるのが早い。実際には芝生ではなくて、芝生に生えている雑草である。たったの2週間で写真のように伸びてしまうのだ。最初、放っておいたのだが、あるとき不動産屋から「住宅の景観を損なうので刈ってください」と注意をされてしまい、それ以来、2週間おきに刈っている。

芝刈り機はガソリンをつかうエンジン駆動で、前輪を駆動させることもできるので今のところ結構楽しい。この芝刈機にはリサイクルモードというのがついている。こんなシンプルな外見なのに刈った草を肥料にする特殊な機能が備えてあるのかと感心しかかったが、説明書を読んでみるとそれは単に「刈った草をそのままあたりに撒き散らすモード」なのであった。ものは言いようである。

だいたい、この町のゴミの出し方には分別も何もないのだ。ゴミ箱に入る大きさなら、紙、プラスチック、ガラス、金属、電池でさえ一緒である。これらを全部埋め立てするらしい。粗大ゴミは、家の前に置いておくと欲しい人が持って行ってくれるそうで、確かに引越しのダンボールのいくつかは一晩で無くなった。ためしに底が割れたスーツケースも置いてみたが、何日たってもなくならないのであきらめた。選んで持っていっているようである。

エネルギーの消費も大きい。ガスも灯油もなく、すべて電力である。どの家も一年中全部屋共通のエアコンをつけっぱなし、料理は電気コンロ、キッチンにはバカでかい食器洗い機が備え付け、風呂、シャワー、キッチンのお湯は電力によって常時熱湯を80リットル貯めてあるタンクがあり、そこから供給。洗濯物を外に干す家はなく、どの家も屋内で乾燥機を使う。これだけの電力を使うので、家のブレーカーの合計電流は300Aもある(日本ではだいたい30Aぐらいである)。また、流しに三角コーナーというものはなく、そのかわりディスポーザーといって、野菜などを粉々に砕いて下水に流す装置がついている。もうバンバン下水に流すのだ。

まあ、アメリカはもっと大事なものを大切にしているから良いのだろう。鯨とか。