昨日、トイレでのことだ。マイクが手を洗っているので、その後で洗い終わるのを待っていると、私に気がついて振り向いたマイクが「デンジャラス、デンジャラス」と言って、向こうに行くな、危険だぞと言う。笑っているので何か可笑しいことを言っているつもりだということはわかるのだが、何を言っているのか見当がつきかねる。私が困惑して聞き返すと、「何でもない」といって笑っている。
トイレから出てから、マイクがグレッグにさきほどの状況を説明するとグレッグも笑っている。いったい何が危険なのかと聞くと、やっと教えてくれた。
マイクは手を洗う前に大便をしていたのだそうである。それで、そっちに行くと臭いということを指して「デンジャラス」と言っていたのだ。私も「もしかしてそうかな?」とも思っていたのだが、それにしてはデンジャラスという単語が微妙に合わないので言い出しかねていたのだ。
これから分かることは、
・アメリカ人も大便の臭いは嫌いらしいこと
・それを「デンジャラス」と表現することがジョークになること
の二つである。こういう場合に日本人にある羞恥の感情が彼らにもあるのかどうかは、それを聞くこと自体、恥ずかしくてできなかった。英語力の問題で、「恥ずかしくないのか」などと聞いたら「こんなくだらない冗談を言って恥ずかしくないのか」と誤解されることも心配だったためだ。仮に正しく説明したとしても、もし彼らに羞恥の感情が皆無だったりすると「ホワイ?お前は何を言っているんだ?」なんて問い詰められたりするかもしれないのである。そのうち他のアメリカ人も集まってきて「ジョウタがなにやら俺たちに聞いているぞ」なんて話が大きくなったらますます困る。そんな状況で大便の話などできるものか。
さあてと、トイレをデンジャラスにでもしに行くとするか。