ビートルズ4

今回は私が初めて買ったもっとも好きなアルバム『ラバー・ソウル』(’65年)である。Rubber Soulとは「ゴム製靴底」の意味であるRubber Soleと同音であるが、sole(靴底)をsoul(魂)に変えた洒落のようになっている。その洒落の意味を聞かれてメンバーはずっと「特に意味はない」と語っていて長い間、その真意は明かされていなかったが、ビートルズ研究家のマーク・ルイソンが’90年にその意味を解き明かした。ルイソンはビートルズ関係者以外で唯一、ビートルズが残した何百時間という音源のすべてを聞くことを許された研究家である。彼は、ラバー・ソウルのレコーディング中、曲の合間にポール・マッカートニーが「黒人ミュージシャンがミック・ジャガーを偽者のソウルだと揶揄して『プラスティック・ソウル』と言っている」と他のメンバーにしきりに説明しているのを発見した。これをヒントにしてビートルズがアルバムタイトルをつけたであろうことは間違いない。「じゃ俺たちはプラスチックとまではいかないがゴム製のソウルってとこか。靴底ともダブルミーニングだしな」ってなところだろう。名作『ラバー・ソウル』のタイトルの謎はこうしてその発売から25年後に明らかにされたのである。

私がこの名作のジャケットをカバーしたのは’82年であるから、比べるのも何だが、これもそれから25年後の今日、こうしてブログで世に発表することとなった(ただし、画像のゆがみと色相変更は自分でパソコンで画像処理ができるようになった5年ほど前にやったものである。まだ続けているのだ)。まさかこんなものをしかも卓球雑誌のサイトで発表できる日がくるとは思いもしなかった。インターネットと卓球王国編集部は偉大である。

それにしても、何の発表のあてもなく竹やぶの前でビートルズの真似をしてポーズをとるこの若者たちは、いったいどこに向かっていたのだろうか・・。このうちの二人は今、中学教師である。