冊子『現代卓球』

大学の後輩の戸田から「田村が2番弟子だとすると1番弟子は誰なのか」とメールが来た。まったく人をバカにした話だ。「お前に決まってるだろ!とぼけるな!」と返事をしてやった。田村といい戸田といい、弟子としての自覚に欠けるのは嘆かわしいばかりだ。毎日どうでもよいことを報告してくる3番弟子の小室を見習ってほしいものだ。

学生時代に戸田といっしょに作った『現代卓球』という小冊子がある。だいたい半々づつ書いたのだが、悔しいが戸田が書いたところの方が面白い。卓球の腕も私より1ランク上なので一番弟子である。ただ『現代卓球』は、あちこちに危険表現がちりばめられているので、後年、ウエブ化するときにかなり修正した(プロフィールのリンク参照)。

戸田は最近、ニッタクを辞めて(追い出されたか?)キラースピンというアメリカの卓球用品会社に入って、音沙汰がないと思っていたら、こんなところhttp://jpnuttl.org/public/sub15.htmlでこっそりと頼まれもしないのに戦評を書いていた。やはり異常に面白い。それにしても「松平健太がいつまでもしゃがみこみサービスができるように牛乳を飲まないようにすべきだ」というくだりは荻村伊智朗『卓球クリニック』のパロディだが、それに気づく人などほとんどいまい。つくづくマニアックな笑いだ。

「頼まれもしない」といえば、どの大学でもあると思うが、私の母校東北大の卓球部にも『覇者』という会報がある。年1回、現役選手たちが作って発行することになっていて、現役部員の紹介や戦績報告、OB同士の近況報告などが載っている。OBには年に何回か、試合の誘いとか飲み会の誘いが往復ハガキで送られてきて、その近況欄に何かを書くとそれがすべて翌年の『覇者』に載るという仕組みになっている。そこに私と戸田は近況でも何でもない文章をびっしりと書き込んで掲載させるという、パフォーマンス競争を何年か続けた。戸田は「世界にそびえる人々」、私は「OB紹介コーナー」を連載(もちろん勝手に)して筆力を現役に見せつけたのだが、現役、OB双方から完璧に無視され、ついぞ憧れの「OB寄稿」への正式な原稿依頼が来ることはなかった。

この件は当時の現役部員である編集デスクの久保に責任をとってもらいたい。