こちらに来て、頭も日焼けすることを初めて知った。考えてみれば何も不思議はことはない。皮膚である以上、日焼けしてなんの不思議があろうか。ただ、普通は髪の毛があるから日が当たらないだけのことだったのだ。
7月頃に、家族でドーサンから2時間ほどかけてフロリダ州に行き、海水浴をした。この時期、私はハゲているだけではなくて思いっきり短く刈り込んでおり、ほとんど僧侶のようにしていた。そこに北緯30度(九州南端ぐらい)の直射日光を3時間ほど照射してしまったのだから、焼けるのは当然なのだが、経験がないために思いつかなかった。顔や体には日焼け止めクリームを塗ったのに、頭には塗らなかったのだ。
夜になるとなんだか頭の皮が引っ張られるような浮き上がっているような違和感があったが、それでもまさか日焼けだとは気づかなかった。何日かすると、頭に触れるとやけにフケが落ちるな、と思ってよく見ると、それは日焼けでむけた頭皮だったのである。
びっくりしてグレッグにそれを話すと、「ここらでは坊主頭の人は外では帽子を被るのが常識だ」とのことだった。なるほど、かならずしもおしゃれで帽子を被っているのではなかったのだ。それ以来、こういう場合には帽子を被ることにしている。