こちらで知り合った卓球仲間のスタン夫妻が、月末から日本へ行く。奥さんが郁美さんという日本人で、北九州の実家に一ヶ月の里帰りをするためだ。
最初の5日ぐらいは東京に滞在して郁美さんの旧友などと会い、その後北九州市に行くのだという。里帰りの目的は、郁美さんのお母さんの具合がよろしくないためとのことだが、スタンは生れて初めての日本で、隙あらば東京や九州で卓球をしたいと意気込んでいる。
そこで、東京在住の卓球仲間に相談したところ、「中央区総合スポーツセンター」というところを紹介してもらったので、教えておいた。また、卓球王国のインフォメーションで紹介されている『ストリートピンポン』のイベントも紹介しておいた。
次に九州である。郁美さんの実家に近いところで練習に入れてくれそうなところをネットで探した。なにしろスタンはヘタをすると毎日でも練習しかねないので、週1回の社会人のクラブでは物足りないかもしれない。高校の卓球部は管理が厳しい。そこで、大学の卓球部をあたることにした。
そして「北九州市立大学卓球部」のサイトhttp://kitakyu-fight.com/blog/が見つかった。郁美さんの実家にも近い。さっそく主将の小川裕司さんという方にメールで事情を説明すると、嬉しいことに「部員たちもスタンを歓迎する」という返事がきた。大学生の実力からすると、おそらく年配のスタンでは相手にならないだろうと思われるにもかかわらず、受け入れてくれるとは本当にありがたいことである。これを機会に親交を深めてもらいたいものだ。スタンも一生の思い出になることだろう。
こうして、日本全国どこでも卓球クラブがあるのだから、やはり日本は卓球大国である。
ちなみに、郁美さんは中学のときにたまたま卓球部だったが、卓球には特別な思いはない。スタンを初めて知人から紹介されたとき「ええ~?アメリカ人でたっきゅう~?」と思ったそうである。アメリカ人で卓球を競技としてやる人はきわめて希である。しかし、2時間車を運転しないと練習相手がいないという、その環境の中で続ける人というのは、逆に手のつけられないのめり込みようなのだ。家でも目を離すと卓球のビデオを見ているという。
ちなみに私の妻も中学のとき卓球部であるが、これもたまたまである。私の卓球へののめりこみ方に辟易し、今では「卓球の話はいっさい聞きたくない」と言われるまでに至っている。スタンと私の人徳の差であろう。