私は太陽などまぶしい光を見るとくしゃみが出る。私の実家の家族は全員がそうだったので、誰でもそうなのだとばかり思っていた。それが違うと分かったのは結婚してからだ。私が太陽をみながらアフラアフラしているのを見て妻が「変だ」と言う。風邪気味のときには室内で蛍光灯を見てもくしゃみが出る。なにしろくしゃみをするのは気持ちがいいので、出そうなときには極力、出る方向に持っていくのだ。くしゃみの後で口内にひろがるしょっぱい味も楽しみのひとつだ。それで、歩いているときとか車を運転しているときに、突然太陽の方向を見ながら歩みをゆるめたり静止したりすることになる。確かにおかしいかもしれない。何年か前、念のために実家で母親に「太陽を見るとくしゃみが出るか」と聞いたところ「なにを当たり前のことを」と言われた。さもありなんだ。
また、私は炭酸飲料を勢いよく飲んだり極端に辛いものを食べると、しばらくしゃっくりが出る。妻が「気になるから止めて」と言うが好きでやっているわけではないので無理な注文だ。
そういう妻にも奇妙な体質がある。耳掃除をすると咳が出るのだ。これなど私にはとうてい考えられない異常なことに思えるのだが、おろらく全国にはそういう人は他にもいるのだろう。
くしゃみ、しゃっくり、咳とくれば残るはあくびだろう。私はいつでも好きなときにあくびを出す特技がある。方法は簡単、あくびをするように大口を開ければよいのだ。ほんの5秒くらい待つとすぐに本当のあくびがでる。そんなことが何の役に立つのかと思うだろうが大立ちだ。コンタクトレンズにゴミが入ったときに自由自在に涙を出して洗い流せるのである。まいったか(問題はあくびを出すための予備の5秒と本当のあくび合わせて10秒以上も大口を開け続けていなくてはならないことで、さすがに人前ではできない)。
体質ということでは、一昨年死んだ祖母の耳垢が湿っていたのを思い出す。調べてみると、日本人の16%が湿った耳垢であり、白人は90%以上が湿性なのだというから楽しいではないか。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%80%B3%E5%9E%A2
なお、湿性耳垢は優性遺伝なのだそうだ。もちろん、湿った耳垢の方が生物として優れているという意味ではない。遺伝の影響が個体に現れやすいという意味である。さらに、乾性耳垢は、皮膚がむけたものであり、湿性耳垢は、耳垢線というところから出る分泌物だという。調べてみるものだ。