漢字の読み間違い

『なごり雪』で思い出した。元の職場の同僚で、「名残り」を「なのこり」だと思ってずっとそう読んでいた人がいた。「なごり」は知っていたが、別の言葉だと思っていたそうだ。こういうことは誰でもあるのではないだろうか。あまり人前で話す必要がない言葉で、いつも黙読している言葉にそういう間違いを犯す危険がある。この歳になってそういう思い違いを発見するのは恥ずかしくもあるが、それ以上に新鮮な驚きで嬉しくなる(自分で気づいた場合に限る)。

たとえば私は大学時代まで「教諭(きょうゆ)」のことを「きょうろん」だとばかり思っていたし、5年ぐらい前まで「造詣(ぞうけい)」のことを「ぞうし」と読んでいた。また、つい昨年まで「思惑(おもわく)」を「しわく」と読んでいたし、読みではないが、「系譜(けいふ)」のことを「譜系(ふけい)」と書いていた。「こんな一般的な単語も出てこないのか」とパソコンに毒づいていたが、間違っているのは常に私の方だった。自分の読みで変換されない単語があったら、まず自分を疑った方がよい。

「破綻(はたん)」を「はじょう」と、職場まるごと全員が誤読していたケースもあった。どうやってパソコンで変換していたのだろうか。

何年か前、上司が「示唆」を「ししゅん」と言ったのには困った。なにしろ厳しくて怖い上司で、しかも怒られているときに言われたのだ。まさか「それ”しさ”です」などと言えるはずもない。結局、教える機会はなかったので(あるわけがない)、今でも彼は「ししゅん」と言っているのだろう。言われた人の気持ちを思うといたたまれない。

「対症療法」を「対処療法」といい間違えるくらいは意味も似ているし気づかれにくいのでいいとして、「ししゅん」はやばいだろ。

またまた面白い映像を見つけたので貼っておく。

1つめのネタは、フランス人がhの発音をできなくてハンバーガーをアンバーガーとしか言えないこと等をネタにしている。昨年、フランス人の出張者が来たのだが、相手をしたフランス赴任経験者の宮根さんによると、彼らはsecond halfのことを「スゴンドアルフ」と言うのだそうだ。「へえー、フランス語ではそう言うんですか」と言うと、そうではなくて、これは英語を話しているのだそうだ。我々日本人の英語はもっとひどいのだろうか。

2つめの映像は、自分の発言に字幕がついていることに腹を立てるイラク人のネタ。隣のイラク人には字幕がつかないことで怒りはエスカレートする。彼は早口言葉を披露して見せるがずっと字幕はついたままだ。レポーターが無理やり話をまとめているところがおかしい。