破れたジーパン

私は常々、リアルということにこだわってしまう。小説や映画でもリアルじゃないとどうも落ち着かなくて楽しめない。

最近の若者によく見かけるのが、ボロボロに破いたジーパンだ。ほどよくかっこよく擦り切れたり破れたりしているのがおしゃれのようで、職場の同僚にもそういうものをはいている人がいる。以前の職場の後輩は、太もものところに2,3個の穴が開いていて、その近くには生地の白い繊維がむき出しとなっていた。

おしゃれと実用とは正反対なのだとは思うのだが、それにしてももう少しリアルに穴をあけられないものだろうかと思う。力がかからない太ももなどに関節より先に穴が開くはずがないではないか(太ももの上で毎日まな板を使っているとでもいうなら別だが)。そういうことが気になってしまうのだ。

私は学生時代、ジーパンによく穴が開いたが、もちろんおしゃれではなくて、本気でだ。穴が開くのはひざだ。穴が開く前に、まずひざのところの生地が伸びてどんどんとんがり始める。歩いているときでもひざのところがとんがっているので大変みっともない。そして生地が薄くなって、ついには穴が開くというわけだ。それで、店にもって行ってそこに継ぎ当てをしてもらうのだが、しばらく履いていると、そのあて布の部分がポコンと盛り上がってもとの生地の境界が破れたり、あてた布にもまた穴があいたりして2回ぐらい補修したあげくについには収集がつかなくなって次のジーパンを買うことになる。

おしゃれどころか本当に惨めでみっともない状態だった。ことわっておくが、金がなかったから新品を買わないのではない。金がもったいなかっただけのことだ(同じ意味か?)。

本気で穴が開いた人をも納得させるリアルなおしゃれというものは有り得ないのだろうか。思いっきりひざの生地をとんがらせるとか。まあ無理だろうな。