『コーチはステラン・ベンクソン』

USA卓球協会から送られてくる会報を見ていたら、「ステラン・ベンクソン」の文字が目に飛び込んできた。ベンクソンといえば、私が卓球を始めた中学生の頃に読んだ卓球の本に載っていた、史上最年少の18歳で世界チャンピオンになったスウェーデンの英雄だ(今もその記録は破られていないと思う)。

なんとも気難しそうな、さえない顔をして写っているこの男が、あのステラン・ベンクソンなのだろうか。現役時代に「ミニ・ステラン」と言われていただけあって相変わらず小柄のようだ。

読んでみると、ベンクソンは今、アメリカのサンディエゴでプロコーチをしながら奥さんと暮しているという。記事は、ためらいながらも「あの世界チャンピオンのベンクソン」にコーチをしてもらい、さまざまな指導を受けて、地元のレーティング別大会で見事優勝した54歳の男性の手記だ。

記事の最後には、「この優勝がベンクソンのコーチのおかげかどうかは読者のご判断におまかせしますが、私は誰かに聞かれたら”ええ、私にはコーチがいます。ステラン・ベンクソンがね”と言いたいと思います。」と締めくくられていた。

サンディエゴか・・。なんと、関連会社があるので仕事で行く可能性がある。同じ町にあのステラン・ベンクソンがいると知りながら、会いに行かずにいるなどということができるだろうか。「ベンクソンと酒を飲んで、荻村伊智朗の特訓の話や、伊藤繁雄との決勝の話を聞いた」などと言ったら2番弟子の田村がうるさいことになるので黙っていようと思う。