英語コンプレックス

我々には英語コンプレックスがある。出版物やCDなどをみると、NORIYUKI OBARAなどと人名がアルファベットで書いている。別に、外国人に読ませるためではないし、民衆に英語教育をしようというのでもない。ただ英語表記がカッコいいと思っているからだ(それ以外に理由があるというなら教えて欲しい)。

私は長く「日本人としてそういうことではいけない」と思い、電子メールの署名でも漢字の後に「Jota Ito」などとたわけたことは書かずに「いとうじょうた」と平仮名で書いていたのだが、いざ自分が遊びでCDを作る段になると、嬉々としてはなはだしい英語を使ってしまったのは我ながら情けない。

このCDは、吉田伸也という男と3枚だけ作ったものだ。当時は自分でCDに録音することはできなかったので、わざわざ業者に依頼をして作ってもらった。吉田は私の音楽方面の1番弟子であり(2番弟子はいない)、「音楽はテクニックではない」ということを知らしめ、ビートルズの魅力を教えてやった関係で弟子と認定している。ただ、ギターは私とは比較にならないほど上手いので、バンド名は『吉田学校』とした。もちろん昭和の政治家・吉田茂の吉田学校が元だが、意味はない。