年別アーカイブ: 2009

ビートルズ勝負の結果

私と宮根さんでアキラくんにビートルズのベスト選曲CDをあげた件だが、アキラくんに感想を聞いてみると「済みません、どちらもわかりませんでした」とのこと。

両者、敗北・・・

やはりビートルズは40年前に終わっていたようだ。

マイケル登場

こちらに来てから知り合った日本人、スタンレー・郁美さん(2007/10/29参照)から楽しいメールが来た。あんまり楽しいので、原文のまま載せてしまおう。

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条太さん、ご無沙汰しています。
体調(お腹)のほうはいかかですか?

実は隣家のケントの学校にドイツからのマイケルと言う17歳の留学生が来ていて、身長が185cmもあるのでケントが「スポーツは何をやるんだ?」といろいろと名前をあげたところ、いまいちみたいで、最後に「卓球は?」と聞いたら、目がボヨヨーンと輝いたそうです。

マイケルはここから10分位の所に住んでいて、ケントからの紹介でその後、マイケルは私の家にだびたび来てはスタンと卓球をしています。
マイケルは8歳の時から卓球をしていて、片面はロングピップスでラケットをクルクルと振り回しているので、スタンは精神力がいると言っています。
初日のゲームではスタンが勝っていたものの、次の日にはドイツから最愛のラケットを送ってもらい、そのラケットを使用してからはスタンはほとんどヤラレテいました。

先日は、マイケルがビデオカメラを持って来て、その録画ではスタンが勝ったのでスタンが一応「勝った!」という証拠が残ったとうれしそうでした。
そしてまた、スタンはしきりに「ジョ-タに会わせたい。」と言っています。

先週の日曜日は10時から5時すぎまで練習をしていました。
マイケルはドイツの卓球ではBクラスなのでドイツに帰ったらAクラスに入るんだとスタンと練習に励んでいます。
今週はマイケルを連れて、Ft.Walton Beachのクラブに行ってきます。
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卓球好きでない人はこのメールのどこがそんなに楽しいのかと思うだろう。楽しいのだ。卓球をしている人はそんなに多くはない。日本ですら高校生の卓球部員率は2%しかないのに、アメリカでの卓球人口率は日本の40分の1なのだからなおさらだ。ドイツから来た高校生が卓球が好きだと言ったと聞いたらもう顔がほころんでしまうのだ。これもマイナーなスポーツゆえのことで、そういう点では、そこいら中、誰でもやっている趣味よりは楽しみは大きいといえる。

目を輝かすほど卓球を好きな少年が、自分から卓球と言い出さなかった気持ちもよくわかる。卓球を真面目にやっているアメリカ人なんかどうせいないに決まっていると思い込んでいたのだろう。だからラケットも持ってきていなかったのだ。俄然やる気になってラケットを送ってもらった気持ちを考えて、また嬉しくなる(こんなに嬉しいのはひょっとして俺だけ?とちょっと不安になる)。

マイケルに会うのが楽しみだ。それにしても目が「ボヨヨーン」と輝いたというのは郁美さんの表現だが、ケントは英語で何と言ったのだろう。

模範回答

一番弟子の戸田から、下の問診表に対する模範回答が送られてきた。

・緊張することがある(はい、時々、いいえ)

という質問に対して

「時々。特にフォア打ちのフォームがあきらかにおかしなオヤジが、回転方向のよくわからないサービスを出してきたとき。」

だそうだ。これで負けた場合、次の質問

・憂鬱で死になくなる(はい、時々、いいえ)

には、当然「はい」だろうな。

いつもより集中できた

下の写真は、人間ドックのときの問診表だ。
このバカ気た質問を見てほしい。

・何かをするとき、いつもより集中して(できた、いつもとかわらなかった、できなかった)

などという質問にどう考えて答えたらよいのだろうか。いつもって、いつのことよ。日常の半分が集中できたら、どっちをいつもにするんだ?こんな質問、本当に真面目に考えたのかと言いたい。

「憂鬱で死にたくなる」という質問もあまりに直接的。これがイエスなら、医者に問診してもらうまでもないではないか。

「緊張したことがある」かどうかも問われているが、試合になれば誰だって緊張する。医者は、試合の回数を知りたいのか?それならそう書け。

「問題を解決できなくて困ったこと」があったかどうかも聞かれているが、どうして人間ドックに来てまで仕事の進み具合を報告しなくてはならないのか。余計なお世話だ。

他にも「いつもより問題があったときに積極的に解決しようとすることができた」などという、何を言っているのかまったく見当がつかないトンチンカンな質問もある。

病気なのはこの問題を作った人だろう。こんな質問をされて腹が立たない人がいたら教えてほしい。人間ドックを受け始めて以来、毎回この質問に答えさせられている。どこからも苦情はないのだろうか。

ミントと塩味のヨーグルト

腹をこわしたついでに思い出した。15年ほど前にイランに旅行をしたとき、生水を飲んではいけないとガイドに言われていたのに、つい氷入りのコーラを飲んでしまった。

その夜から激しい嘔吐と下痢が始まり、翌朝はほとんど瀕死の状態だった。ホテルの人が「吐いているときにはこれが良い」と言ってもってきたのが、どんぶりいっぱいの飲むヨーグルトで、これがなんと塩味。しかも表面にミントの葉が浮いている。気持ちが悪かったが、吐き気に良いといわれて藁をもつかむ思いで全部飲んであっという間に吐いた。正常なときでも吐いたかもしれないほどひどい味だった。

最近妻がアメリカ人に、お腹の調子が悪いというと、「それならこれよ」と、ミント味のクッキーをくれたのだという(もちろん妻はますます気持ち悪くなった)。イランとアメリカではずいぶんと文化が違うはずだが、ミントがこういうことに効くとされている点だけは同じようだ。

そういえばイランで腹を壊したとき、一緒のツアー客のひとりが梅干を出してくれた。ありがたく思って食べようとすると、ホテルの従業員が先に味見をして、予想通りものすごい顔になって「こんなの食ったらダメだ」と言った。そして持ってきたのが例の塩味ミントヨーグルトだったのだ。具合が悪くて可笑しいどころではなかったが、後で思い出して笑おうと思ったものだ。

TMI

月曜の朝から下痢が始まり、結局、二日間寝込んでしまった。原因はよくわからないが、同じものを食べている家族がなんともないので、たぶんそういう性質の風邪だろうと思う。

火曜朝の時点で、体重が3kgも減っていたのには驚いた。ついでだからこのまま維持しようと思う。

今朝、会社に行って、ゲイリーにいかにひどい下痢だったかを話すと(今気づいたが駄洒落じゃないぞ)「分かった。ジョウタ、TMIって知ってるか」といわれた。知らないと言うと「そういう話のことをToo much information、つまりTMIというんだ」と言われた。

なるほど。まあ、またひとつ新しい英語を覚えたから良しとしよう。

バリさんとの邂逅

今月発売号にバリー・ヘイター、通称バリさんのことを書いた。

実は、居酒屋でインタビューをする前に、編集部の練習会にバリさんを招き、練習をしたのだった。バリさんはみんなより1時間ほど遅れてきたが、台につくなり水平度の調整を始めた。あまりに評判どおりの行動に、喜んで写真を撮った。

一番弟子の戸田からはバリさんの卓球について「試合で点をとるために必要な技術以外は何ひとつ身につけていない」究極の実戦的卓球であることを事前に教えてもらっていたが、試合をしたらやはり簡単に負けた。

編集部の渡辺くんや佐藤くんなどはちゃんとバリさんに勝って面目を保っていた。また、偉関絹子さんももちろん勝っていた。

インタビューのとき、奥さんとの馴れ初めも聞いたのだか、バリさんは「私、男女の区別しないんデスよ。いや、ヘンな意味じゃなくてね」と言ったのが可笑しかった。誰もそんな勘違いしないって(笑)。日本語が流暢にもほどがある。

それにしてもバリさんの卓球への執念は深い。卓球への執念の根拠に戦争体験まで持ち出されては、並の選手はとても適わない。

小さな家

同僚のデビッドが、裏庭に小さな家を建て始めたのはもう2年も前のことだ。

なんでも、そういうミニチュアの家の設計図が売っていて、そのとおりの寸法の材料を揃えて自分で建てるのだという。奥さんが小さいころに自分の部屋がなかったので、その心の隙間を埋めるために作ってやっているという。

ときどき思い出したように少しづつ作業をしているので、2年かかってもまだ完成はしていないが、ほぼ出来上がったということで、先日、見に行った。なかなかに面白い。しかしお金は予想以上にかかり、業者に建ててもらった方が安かったのではないかと今では思っているらしい。

人形俳句写真『狆』

義姉が、ギャラリーGという施設から薦められて、個展を開いている。http://www.gallery-g.jp/news.html

いろんな人たちが入れ替わり立ち替わり現れて、新たな仕事の依頼をされていて「疲れているのに頭が興奮して睡眠薬飲んでもちっとも眠れない状態」だそうだ。

かなりの興奮状態のようだ。

写真の「狆」は「ちん」と読むらしいが、意味はわからない。

ビートルズマニアの世界

ビートルズのマニアの世界をご紹介しよう。私もビートルズマニアだと思うが、上には上がいるもので、もうぜんぜん敵わないマニアたちがこの世界にはいるのだ。

私が尊敬しているビートルズ研究家にマーク・ルイソンという人がいる。この人は本当にすごい。まずこの人、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが初めて出会った日を特定したことで有名になったというのだからなんともはや(笑)。二人が出会ったのは、ある教会のバザーでジョン・レノンが自分のバンドでコンサートをしたときだというのがそれまで分かっていたことだったが、それがいつだったかは長い間、知られていなかった。マーク・ルイソンは、その地域で発行されていた小さなチラシみたいな新聞を丹念に調べ上げることを思いつき、その結果、該当する日が1957年7月6日しかないことを発見した。それ以来、あらゆる資料には、この日が二人が出会った日として公式に採用されるようになった。

彼の書いた本、『レコーディング・セッション』がこれまたすごい。マーク・ルイソンの情熱はビートルズ関係者にも認められており、彼は、残された何百時間というすべての音源を聞くことの許されたビートルズ関係者以外で唯一の人物である。その立場を利用して書いたのがこの本だ。

なんとこの本には、ビートルズがスタジオに入って録音したすべての日の録音内容が克明に記録されている。ただ詳しいだけの記録なら、実はそう面白くもない。ところがこのマーク・ルイソン、抜群に面白く書く才能があるのだ。だから、こんな気が狂ったように詳細なレコーディング記録集でも、とても面白いのだ。しかも驚くような新しい発見に満ちている。名作『ラバー・ソウル』の題名の由来は長い間メンバーも語らず謎とされていたが、これを解明した下りもこの本に記されている。ある曲の演奏の後に、ポール・マッカートニーが他のメンバーに向かって「黒人ミュージシャンがローリングストーンズのミックジャガーのことを偽物のソウルという意味でプラスティック・ソウルとバカにしている」と話していることを発見したのだ。これをもじって『ラバー・ソウル』としたという発見が、これまた彼の仕事なのだ。

まったく素晴らしい、マニア必携の一冊だ。

これはスタジオでのレコーディングだけに関した本だが、マーク・ルイソンは、この後、ライブやその他の活動を含めた『ビートルズ全記録』という上下2冊の大著も出している(笑)。まったくとんでもない奴である。