『青春』

学生時代、どっかの飲み屋で店主に『青春』という詩のコピーをもらった(置いてあったんだかもらったんだか覚えていない)。これがなかなか良い詩で、たいそう気に入った。後でサミュエル・ウルマンという人の詩であることがわかった。ちょうどその頃、研究室にコピー機のセールスマンがやってきて、宣伝のためと称して赤インクでもコピーできるという新製品のコピー機を1週間だけ置いていった。その間、使い放題というサービスだ。それで、ここぞとばかり本をまるごと一冊コピーしてみたりした。

さらに、せっかく赤色でコピーできるからというので、『青春』の詩と自分の顔を色違いで重ねてコピーしてみた。顔を重ねたことに意味はないし、苦しそうな顔をしているのは単に光源の眩しさに耐えるためだが、図らずもなんともいえない迫力に満ちている。まさにこれこそが『青春』といえるかもしれない。一緒に同じく顔のコピーを作った用具マニアの杉浦くんはまだ持っているだろうか。1986年のことだから、もう24年前である。

ちなみに、その後、赤インキのコピー機はメジャーになっていないので、失敗作ということなのだろう。これもセールスマンの『青春』と言えるのかもしれない。