ナタリー

先日書いた、ポールのお母さんはナタリーという。
このナタリー、本当によくわからない人なのだ。妻が遊びに来いというから行くとなんだかとても不機嫌で「ハァー」とため息ばかりつかれたりだ。背が高いので、妻によれば「頭の上からため息をかけられた」という。

私の家族はいよいよあさって帰国するのだが、ナタリーには何ヶ月も前から帰国日を教えているのに、言うたびに驚かれるという。全然覚えていないらしいのだ。ナタリーは、私たちのために簡単な写真集を作ってプレゼントすると前から言っていたのだが、案の定、帰国日が近づいたのに音沙汰がない。まさか「忘れてないよね」と連絡するわけにもいかないので待っていたのだが、いよいよ帰国まで1週間を切ったので「今週末帰る」と連絡をすると驚いて慌てて家に来た。やっぱり忘れていて、写真集もあとで作って私にくれるという。それで、最後には別れを惜しんで泣いたというのだからますますわけがわからない。泣くぐらいに思っていてくれるのに、なぜ帰国日を覚えられないのだろうか。

ちなみにこのナタリー、やたら美しい。43歳には見えない。たぶん生まれてこの方、あらゆる人にチヤホヤされてきて、感情の趣くままに振舞うことが全肯定されてきたのだろうというのが私たちの見解だ。