別世界

妻の友人にポーランド人がいる。妻は公共の無料英会話教室に通っているので、英語がよく話せない人たちの友達が多い。お互いに片言なのでかえって分かりやすいという。ネイティブの人たちは英語が聞き取れないことが理解できないらしく、ゆっくり話すという発想がない。こちらがわからないと、説明が足りないんだと思ってますます早口でたくさん説明したりされてもっとわからなくなったりすることが多いのだ。

そのポーランド人がこれまた美しいらしく、彼女とレストランに行くと、どこにいっても男の店員が用もないのにやたらとやってきて世話を焼くという。そのポーランド人にしてみればどこに行ってもそうなので、世の中はそういうものだと思っている。妻は同じレストランに行ってもそんなことはただの一度もない。同じ世界に生きていながら、二人はまるで別の世界に住んでいるような、一種のパラレルワールドのようである。

ちなみに妻は異常に韓国人の女性に好かれる。外見が韓国人っぽいためらしい。韓国人に会うとまず韓国語で話しかけられ「韓国人ですよね」と決めつけられるという。「自分は韓国人と日本人の違いはすぐにわかる」と豪語する韓国人からも「韓国人に間違いない」と太鼓判を押されたという。彼女によれば、韓国人はえらが張っていて四角く、日本人は顔が小さいという。この表現を聞くと、日本人の方が可愛いんだと日本人なら思うが、当の韓国人がどう思っているかはわからない。「だから韓国女性の方が魅力的だ」と思っているのかもしれない。ただ彼女が言うには韓国の男性はみんな日本人女性が好きで、結婚したいと思っているとのことだ。それは外見ではなくて性格が従順で話し方が優しいからだという。韓国人の話し方が喧嘩腰に聞こえるのは英語でも同じで、件の英会話教室でも「韓国人はいつも喧嘩腰で話しているように聞こえる」と評判だという。