マークの卓球

足立さんが撮ってくれた試合のビデオの背景にマークの卓球が映っていた。

これを見てやっと彼の卓球の全容がわかってきた。なんと彼はバックサイドのボールはシーミラーグリップでちゃんとドライブをかけているのだ。かなりラケットを高く振り上げている。しかも、台上のフォアミドルのボールはあろうことかシーミラーグリップのバックハンドでチキータのような打ち方をしている。そのテイクバックが左の写真だ。どおりでどう打たれたのか記憶にないわけだ。ラリー中はボールばかり見ているので、あんまり珍しい打ち方をされると、何をされたのかよくわからないものなのだ。

さらに、マークのフォアドライブの異常さも判明した。一応、テイクバックは体も回しているようだ(中央の写真)。腕を思いっきり背中に引いているのはいいのだが、フォロースルーが凄い。インパクトで極端にラケットヘッドを回して直後に腕の振りを止め、肩の下あたりまでしかラケットを振らないのだ(右の写真)。顔の下あたりに赤く見えるのがラケットで、これがフィニッシュの位置なのだ。これでちゃんと回転がかかっていて両サイドに入れられるのだからたまらない。こんなんだから、いったいどんなボールを打たれてどうやって点を取られたのかよくわからなかったのだ。

これでボールが入るから凄いと思うが、入らなければ間違いなく「だからヘタなんだな」と思うだろう。彼の打ち方を見て実力を判断できる人が果たしているのか、興味深いところだ。村上力さんなら分かるかも知れない。彼は”正しいフォーム”という卓球の常識の外で卓球をしてきた人のためか、日本にもときどきいるこういう変な格好で強い人を初見でちゃんと「これは手ごわい」と判断できるのだ。