自衛隊と警察

知人の田村が「今回の震災の復興で自衛隊が物凄い活躍だね」と言ったので、私が「俺はもともと自衛隊や警察には最大限の敬意をもっている」と言うと、田村はとても意外そうな顔をした。

普段、なんでもかんでも反対したり批判したりしている私のことだから、自衛隊と警察にもきっと反感をもっていると思ったのだろう。ところが違うのだ。命がけで日本の治安を守る警察や外敵から国民を守る自衛隊を批判する理由などない。

また、警察を批判するヤツらがあまりにも愚劣なので、その反動で意地でも警察に好感を持ってしまうというのもある。10代の頃によく聞かされたのが、スピード違反の検挙を隠れてやるのが卑怯だというものだ。スピードを出させたくなかったらなぜ堂々とやらないのかと言うのだ。

彼らは、隠れてやるからこそ少ない人数で最大の効果を得られているという当然のことすらわからないバカなのだ。「警察官の中にはろくでもないヤツもいる」というのも的外れである。警察官だろうと何官だろうと、ある確率でろくでもないヤツがいるのは当たり前ではないか。そういうヤツが紛れ込んでいて、なおかつ警察官個々の職務の動機が必ずしも市民のためではなくて私利私欲であったとしても、それでもシステムとして交通事故の低減に効果を発揮するように仕組まれているところこそが優れているのではないか。

警察が犯人を追いかけて、逃げる犯人が事故で死んだりするとすぐに警察に落ち度がなかったかを問題にするマスコミも気に入らない。逃げるほどの悪事を働いた犯人が悪いに決まっているのだから警察に落ち度などあるはずがないではないか。

自衛官や警察官が他の職業に比べてもともと特別に偉い人たちだとは思わない。しかし、経緯や動機はどうあれ、結果として国民のために命を懸けていることは事実なのであるから、それだけで私は敬意を表するのである(ただし、取調べで罪をデッチあげるのはこれはこれで死刑にも値する犯罪だと考える)。