未来の一流選手

吉田戦車のトークショーの後は、高校の先輩と酒でも飲もうかと電話をしたら、ちょうどその日は、小中高生の岩手県選抜と東京選抜の合同練習会をやっているのだという。その先輩は、岩手県のホープス委員長をやっているので、その練習会のスタッフなのだ。それで私も合宿を見物に行って、夜はスタッフの懇親会に参加させてもらうことになった。

懇親会の前、東京選抜チームが宿泊しているホテルのロビーで時間を潰していると、ある母娘から声をかけられた。聞けば、卓球王国で私の記事を読んでいてファンだという(「ファンだ」とは言っていなかったが「いつも読んでいます」と言っていたのでファンに決定した)。

お母さんは私が以前書いた『きらめきの季節』という映画についての原稿が面白かったと言い、話が弾んだ。なにしろ、現役時代にこの映画を映画館で卓球部員全員で見たとか見せられたとかで、その原作の小説もマンガも読んだそうだ。とんだマニアもいたものである。

お母さんによると娘さんはあまり強くないらしいのだが、東京選抜で来ているのだから、きっとバカバカしいほど強いのに違いない。将来、彼女が一流選手になったら、有無を言わさぬ知り合い風をふかしてやろうと思う(そんな言い方があるかどうか知らんが)。