「小野誠治」という名前

定期購読をしている『卓球人』という季刊誌が届いた。
その中で、神奈川県の生田高校の先生である田辺武夫さんという方がとても感動的な文章を紹介してくれている。
拉致被害者の蓮池薫氏が新調社の『波』に自伝を連載しているのだが、そこに、なんと79年ピョンヤン大会の話が出てくるのだ。蓮池氏はおそらく史上初のテレビ生中継の卓球の試合を見るよう指示されたという。パク・ヨンスンの三連覇を見よ、ということだったらしい。
以下は蓮池氏の文章だ。

小野の優勝が決まったとき、平壌体育館は凍りつき、わたしはテレビの前でひとり歓声をあげた。うれしく、得体の知れない力が込み上げた。小野誠治という名は、今もわたしの胸に一生忘れられないアスリートとして刻まれている。
<1月号第21回>

これを読んで私はあわや落涙しそうになった。拉致されたという筆舌に尽くしがたい苦難と、そこで見た祖国の人の活躍、そしてそれがなんと小野誠治。すばらしいではないか。
素晴らしい記事を紹介してくれた田辺氏に感謝したい。

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