花火うんちく

花火鑑賞士の資格をもっている同僚に、いろいろと聞いて見た。

鑑賞士の資格をとるためには(ところで本当に資格なのかこれ)、花火の形や音の知識だけではなくて、構造や歴史の知識までが問われるという。

私は花火には興味がないが、こういう深い話は大好きである。それで、自分も卓球のマニアなので、聞かれて嬉しい質問も良く分かる。さっそく「花火の歴史上、もっとも革命的だった出来事は何だったの?」と聞いてやった。

思ったとおり彼は嬉しそうに「塩素酸カリウムを使うようになって燃焼温度が上がり、色を出せるようになったことです」と即答した。明治初期にこの革命が起こる以前は、炭素の出すオレンジ色の花火しかなく、したがって江戸時代の花火はオレンジ色一緒だったそうだ。だから時代劇でそれ以外の色の花火が上がっていたらウソなのだという。さすが花火鑑賞士だけあって一般人がどうでもよいと思っていることに厳しい。

「じゃ、仙台の花火業者はなんていうの?」と聞くと「芳賀火工です」と当然のように答えた。何かの世界的イベントでも使われたと、まるで自分のことのように得意気だ。そのわりにクライマックスに仙台で花火を沢山打ち上げた映画『ゴールデン・スランバー』は知らないと言う。ダメだなあ(あとで調べたらその業者こそまさに芳賀火工だった)。

また、彼によれば花火のレベルは日本が世界一で、均一に広がる技術などとうてい他国の及ぶところではないという。最近では、絵柄モノが広がるときの絶対角度までコントロールする技術が出ているそうで「これからの花火からは本当に目が離せない」そうである。ほんとかよ。

まるで卓球の話をするときの私のようである。