Mさんの決心(の邪魔)

営業マンのMさん、代理店のAさんと山形に仕事に行った。

Mさんは本来甘いものが大好きなのだが、社内の健康指導員から指導を受けたのをきっかけとして、5月くらいからダイエットをしているという。それまでは毎日寝る前にエンゼルパイを食べていて、奥さんは冷蔵庫のエンゼルパイを切らすことがなかったという。甘いものを絶ってからは体重が順調に減り、それが楽しくて今では苦にならなくなったという。

昼食は、Aさんの案内で、安くて量が多いという「やまき」という蕎麦屋に入った。確かに700円とは思えない量だった。私とMさんは「麺少な目」を頼み、Mさんは完食したが、私はそばを食べ終わったところでギブアップし、ラーメンはまるまる残してしまった。Aさんは普通盛りを頼み、しかも私よりも早く食べ終わっていた。「どうしてそんなに食べるのが早いんですか」と聞くと、早く食べないと満腹になってしまって食べられなくなるから急ぐのだという。どうやらたくさん食べることが目的になっているようだ。

そばとイカ足天というのも珍しいと思ったが、山形では定番で、なんとラーメンにさえよく入っているのだという。

午後の仕事が一区切りついた後は、Mさんが甘いものを控えているというので、サイゼリアでデザートを食べることになった。「そういう闇雲な節制は本物ではない。あえて甘いものを食べて、そこで沸き起こる甘いもの連鎖に耐えてこそ本物」という理屈だ。

Mさんはコーヒーゼリーを食べたが、ここでもAさんは「プリンとアイスティラミスのセット」を平らげていた。いや、ティラミスはともかく、プリンまで食わなくてもというのが私の感想だ。それでもAさんはちょっと太めという程度であり、いわゆる「デブ」ではない。運動も特にしていないという。不思議だ。