家に帰ると、テーブルの上に中二の三男が書いた交通標語が置いてあった。
「とびだすな 命 おしくば 気をつけろ」
だそうだ。乱暴な語尾に言い知れない怒りが込められたこの標語。わかる、わかるぞ三男よ。
これは、書きたくもない交通標語などを書かされていることに向けられた怒りなのだ。
私も会社で、交通標語を書かされ「事故を起こすくらいなら ゆっくり遅刻しろ 安全運転」という
標語を書いたことがある。表向き、危険な運転をする人を戒めるふりをして、実はこんなものを
仕事で書かせられるバカバカしさに対しての怒りが表現されているのだ。
同様に、人権を考える標語を書かされたときにも「人権 じんけん ジンケン」というものを出したものだった。
ときには怒りは創作のエネルギー源になるものだが、これらはそれがネガティブに働いた好例であろう。