小中学校では、学校のトイレで大便をするというのはなんとも恥ずかしいことであった。誰もが学校ではできるだけ大便を我慢し、どうしても我慢できない者だけがトイレで大便をしてみんなの笑い者になるという構図であった。
これが高校に入って一変した。1年生は3年生のトイレを掃除する役目だったのだが、我々が掃除をしに行くと、老けた面の3年生がやってきて堂々とトイレに入り「糞して食べる弁当は旨い」などと言いながらブリブリと音を立ててクソをしたのだ。これを見た私は「学校のトイレで大便をすることを恥ずかしいと感じていた自分たちはなんと幼稚だったのか、これこそが大人なのだ」と目が開かれる思いがしたのであった。
それから33年が経った先日、久しぶりに偉い男の話を聞いた。次男の高校の友人は、なんと、トイレの個室の扉を開けたまましゃがみ込み「見ないで見ないで」と言いながら糞をするのだという。それは凄い。ギャグのセンスも良い。まいった。「たいした友達がいるじゃないか」と次男を誉めてやった。ただし、その友人の精神状態がまともだったらの話だが。