卓球王国10月号に、新しい卓球用語として、スマッシュをするふりをしてストップをする技術を「スマップ」と言ったらどうかと提案した。もちろん冗談だったのだが、読者の方からの指摘で、実際に日本卓球協会の資料にこの単語があることがわかった。
これは日本卓球協会のウエブサイトのスポーツ科学のコーナーで公表されている『卓球新用語について』と題する論文だ。著者は「近藤欣司、前原正浩、星野一朗、葛西順一」とある。http://www.jtta.or.jp/SportsScience/report/2009/21.pdf
スマップの他にも「おや」と思ったのが「光ツッツキ」という単語だ。特別に速いツッツキのことだという。「光ドライブ」というラバーがあるのでややこしい。他の単語はどれも違和感がなく知っている単語ばかりだ。
わからないのが、この論文は、すでに定着している卓球用語を紹介しているものなのか、それとも「こうしたらよいのではないか」という提案なのかだ。冒頭にその意図が書いていないのでわからないのだ。おそらく前者だと思うが、だとするとナショナルチームなどでは普通に「スマップ」とか「光ツッツキ」とか言われているのだろうか。
最近、卓球のテレビ放送を面白くする方法をいくつか考えている。ひとつはボールのスピードと回転量をリアルタイムで測定して画面に出すこと。そのためのアイディアがあるので実現しようと思っている。もうひとつは、解説を面白くすることだ。スピードと回転量を表示することもその方法のひとつだが、卓球用語を新しく考える必要があると思う。従来からある名称を変えることも必要だろうし、名前のなかった技術について命名することも必要だろう。
まず、「ツッツキ」という言葉に代わる名称が必要だ。「払い」が「フリック」に変わったようにだ。「ナックルドライブ」は悪くはないができれば「フェイクループ」の方が良いと思う。ドライブマン、カットマンはよいとしてこれに対立するものとして前陣速攻型はなんか分け方が違うし前陣のドライブマンも多いので、これはスマッシュマンとでもする。粒高とかブロックが多い場合にはブロックマン。当然、レベルが低い世界ではロビングマンも存在する。台上バックハンドドライブは思い切って「DJドライブ」とか「DJ」とか言ってしまう。
新しい概念としては、ネットの横を通って入れるボールを「ダイレクトドライブ」「ダイレクトスマッシュ」などとする。総称して「ダイレクトショット」でもよい。その中でも頂点が明らかにネットより低いボールを「アンダーザネット」、台の下から入れてほとんど弾まないボールを「ゼロバウンド」とか「グランドゼロ」とか「パーフェクトショット」とか「ミラクルショット」とかする。さらに、そのようなボールをこともなげにドライブで返球してしまう現象を「ワルドナー」と呼ぶ(シドニー五輪準々決勝の対サムソノフ戦の実例より)。
これらの単語はあくまで例だが、こういうのを卓球王国で募集して決めるとかして日本卓球協会、工業会、解説者を通して定着させ、卓球メジャー化のために改革をしてはどうだろうか。