ドーサンには日本食レストランが2件ある。MIKATAとKYOTOであり、いずれも韓国人が経営している。KYOTOはともかく、MIKATAとは意味がわからない。まさか「味方」じゃないだろう。「御方(みかた)」なら古い日本語でありそうな気もするが、なにしろ店員は全員韓国人で日本語は「ドウモアリガトウ」しかわからないので聞くこともできない。そもそも現代の日本人が知らない名前をつけたところで意味がないではないか。店内はなんともいえないデタラメな感じの日本風になっている。しかしうどんや寿司、天ぷらがおいてあり、日本食が恋しいときにはなかなか重宝している。
車で40分ぐらいの隣町にはTOKYOという店があり、やはり韓国人の店である。さらに2時間以上走ると、MIKATO、OSAKAなどという店がある。MIKATOとなるともうまったく意味不明である。写真のMIKATOの店構えから、いかにもデタラメっぽい感じがお分かりいただけることと思う。それにしても店名が「京都」「東京」「大阪」とは、いかにも唐突で滑稽である。
ドーサンに来る前に通っていた英会話教室でそのことを私が得意気に話したところ、講師のアメリカ人に手痛い反論をされてしまった。「じゃ、仙台駅にある『リパブール』ってナンデスカ」「『キャバレー・ロンドン』ってナニヨ」と大笑いされてしまった。店の名前に「パリ」などとあると彼らは「なんだそりゃ」という感じで可笑しくて仕方がないらしい。ぐうの音もでない(私の職場はまさにその『リバプール』で忘年会をやったのだった)。
言われてみれば、KYOTOやTOKYOやOSAKAは、「日本食を出している」という意味がある分だけ『リバプール』や『キャバレー・ロンドン』よりマシかもしれない。