会社での卓球ブームがいよいよ本格化している。
昼休みには毎日5人がやってきてダブルスをやっているありさまだ。卓球のために昼食も近くの休憩室で簡単に済ませて卓球をしているようだ。
ラケットは、私が4本用意したものだが、スーパーで4本で8ドルほどの超極悪品だ。一応ラバーが貼ってあるように見えるがほとんどプラスチックで、とても硬くもちろん回転はまったくかからない。木で打っているのと同じだ。まごうことなき腐れラケットだ(いや、腐ることもできない材料だ)。
私は彼らの卓球を毎日楽しく眺めているのだが(それだけで楽しい)、この人たち、どんどん上達してきている。それもまた楽しい。
卓球台を持って来いと私に言ったデリルが一番上手なのだが、この男、私といい勝負だと他人に吹聴しているらしく、ゲイリーが私に「本当なのか」と確かめにきた。私が真実を伝えると、ゲイリーは「それならデリルを0点でコテンパンにやっつけてくれ」と言う。私はそんなことはしたくないと言うと「あいつがいい気になっているのが許せない」と言う。「これがアメリカ式なんだ。本気出してやっつけてくれ」と再三言われている。普段からよっぽど気に入らないらしい。
自分のラケットを使えば0点というのも不可能ではないが、さすがに確実なわけでもなく、挑戦して失敗するのもちょっと嫌だ。無難なところで適当にやっていこうと思う。