カテゴリー別アーカイブ: 未分類

「だめよーだめだめ」

昨年、日本エレキテル連合という漫才だかコントの「だめよーだめだめ」というのが流行した。今でもときどきこの台詞がテレビにでることがあるし、一般の人でもちょっと言うことがあるだろう。

しかし私にはこれのどこがギャグなのかわからない。世の中に面白くないギャグは沢山あるが、いずれも、どのように可笑しいつもりなのかぐらいはわかる。ところがこの「だめよーだめだめ」という台詞は、それにいたる背景(愛人ロボットだということ)を理解してみても、なぜそれが可笑しいのか、可笑しいつもりなのかがさっぱりわからないのだ。

しかしあれほど流行するということはちゃんと可笑しい理由があって大衆はそれを理解しているのだろう。最初、私だけが知らない重要な設定があるのかと思っていたが、何度かコントを通して見ても特にそういうことはない。

あえていえば、二人の話し方が、小津安二郎の映画のパロディになっていることぐらいだ。右側の中年男性はまぎれもなく笠智衆だし、左の愛人ロボットは「そうよそうよ」などと同じフレーズを執拗に繰り返す小津映画の女性たちそのものだ。しかし小津映画などほとんどの人は知らないのだから、そんなことはヒットした理由たりえない。

やっぱり私だけが見落としている設定がどこかにあるのだろうか。うーむ、不思議だ。

地震の被害者

ちょっと前、東北地方で地震があったときに、津波注意報が出た。通常、津波注意報は画面の右下に出るものと決まっているのだが、そのときやっていた番組で、たまたまその位置に顔が出続けた人がいた。

一瞬、改造人間か何かかと思ってギョッとしたが、気の毒なことであった。これもまた地震の被害者のひとつの形であろう。たいした被害ではないが。

時計回りの真相

メーカーのお客様相談室に電話をする前にネットで調べたら解決した。

缶についているプルタブを起こすと、缶の中にあるヘラ状の部分が具をすくい、缶を時計回りに回すと具が口に入る仕組みらしい。そういえばプルタブが左右非対称だなと思ったのだった。

気が付かなかったのが悔しい。それで本当に具が口に入るかどうかはわからないが。

ただ、石川さんからいただいたコメント「地球の自転に関係がある」だの「南半球では反時計回りに回すと具が上がってくる」という説は間違いなく妄言なのでお考えを改めて今晩はお休みいただきたい。

時計回りの缶飲料

寒かったのでコンソメスープの缶飲料を買ってみたが、缶に不思議なことが書いてあった。

よく振ってから缶を傾けて「時計回り」に回しながら飲めというのだ。おそらく中の具を飲むためだと思うが、なぜに時計回りなのだろうか。もしかして缶の内側に螺旋の溝でも切ってあって、時計回りに回すと具が上に上がってくるのかと思い、わくわくして覗き込んでみるとただの缶であった。

缶を覗き込んでいる中年男の様子はかなり卑しい感じがしたに違いないが、そのあたりの責任の取り方も含め、メーカーに電話して聞いてみたいと思う。

佐々木敦子さんのドキュメンタリー

先日、荘則棟とその奥さんである日本人、敦子さんのドキュメンタリー番組を見た。

内容はともかく、番組の最後のクレジットが目を引いた。なにしろ「撮影」のところに高軍という名前があるのだ。高軍といえば、1991年幕張大会女子団体決勝中国対統一コリアのラストでユ・スンボクに負けた中国選手であり、2004年にはアテネ五輪ではアメリカ代表として出て福原選手に負けた選手だ。2008年頃には男女合わせてアメリカで6位だったはずだ。

そんな卓球猛者が、ドキュメンタリー番組の撮影係をするのだろうか。同姓同名かもしれないし、単に家庭用ビデオカメラの映像を提供しただけかもしれないが、ともかく驚いた。

胆江地域ハリウッド計画

先月、実家方面でお酒を飲む機会があったので、普段は車で行くところを新幹線で行ってきた。

最寄りの駅は水沢江刺駅だが、駅構内にいろいろとアピールがあって面白かった。中でも面白かったのは「胆江地域ハリウッド計画」だ。

何年か前にNHKの大河ドラマ「炎立つ」の撮影がこの近くで行われたことをきっかけに、何事かをやらかそうとしているらしい。といっても、この展示はかなり前からあるのだろうし、特に何も起きていないので胸をなでおろした。

ハリウッドとは関係ないが、同じ構内に日高火防祭の神輿の模型が飾ってあった。昔からこの地域で行われる祭りで、火防祭というだけあって、火事を防ぐことを願った祭りだ。

私は小さい頃からこの祭りを見ていたので特に疑問を持ったことはなかったが、あらためて考えてみると、こんな着物を着て灯篭を灯した神輿などを担いだりしたら、火防どころかわずかに火事の危険が高まるなあ、などと無粋なことを思った。長い歴史の中で、この神輿が燃えてしまったなんてことはないのだろうか。

画力の限界

『ヤングマシン』のイラストについて友人と口論になったときのことを補足しておく。

そのとき私が言ったのは「いくら写真のように描けても、それで飯が食えるのはごくわずかだ。技術だけではなくて、何を書きたいかとか、何を表現したいかとかそういう特別なものがなかったらダメ。現に私はこの程度の絵なら描くことはできるが、他に何もないので全然どうにもならない」ということだ。卓球に例えれば、綺麗なフォームでフォアロングが200本続けられて素人からはすごいすごいと言われるけど、大会ではさっぱり勝てないということだろうか。

絵についてそのような考えに至ったのは、中学校のときにテレビで見た『やまねずみロッキーチャック』というアニメだった。その背景があまりにも見事だったのだ。普通ならそこで感激して「俺もやろう」となるのだろうが、私の場合は違った。自分が美術の時間に何日もかけて描いている絵より数段見事な絵が、たった数秒のアニメの背景に使われていることにショックを受けたのだ。「ダメだこりゃ。こんな人たちがいるのに絵なんかやったってまったく見込みがないじゃないか」と思ったというわけだ。

まあ今にして思えば、このアニメの背景を描いた人たちはやっぱりそれなりの天才たちだったのだろうが、当時の私はそうは思えなかったのだ。

映画『そして父になる』

先日、テレビで映画『そして父になる』を見た。

私は映画を見て涙が出たことは今までに2回しかないので、我ながら冷たい人間なのだろうと思っている。2回とは『シンドラーのリスト』とテレビドラマ『ルーツ』だ。泣いたといっても目の中で滲んだ程度だ。今回の『そして父になる』で、3回目の涙が滲む経験をした。

映画を観る前に結末を知りたくないという人がいるが、カリフォルニア大学の研究によれば、結末を知っていた方が作品を楽しめるという。

そのメカニズムは、あらかじめ結末を知っていた方が、作品に対する理解が深まり印象が良くなるためと推測しているという。

私も、音楽や芸術作品は解説や批評を聞いてから味わうとより感動する(というより、解説がないとほとんど理解できない)し、結末が決まり切っている水戸黄門の人気が絶大だったり、トリックものでも刑事コロンボが何度見ても、見れば見るほど面白いことを考えれば納得がいく。

そういうわけで『そして父になる』については結末も書いてしまおう。

病院で男の赤ちゃんを取り違えれられた夫婦が息子が6歳になってから知らされ、交換するかどうかを悩む話だ。主人公の福山雅治は高級マンションに住むエリートサラリーマンで、普段から仕事優先で子供に接する時間が少ない。悩みながらも交換しようと考えるが、自分とは対照的に貧しく卑しいながらも温かい相手の父親(リリーフランキー)との対比や、時々子供に貸していたカメラに寝ている自分の姿が何枚も撮られているのを偶然発見し(ここで滲んだ)、息子が普段どれほど寂しい思いをしていたかを知り、血のつながりの有無以前にそもそも自分はまともな父親ですらなかったことに気づくという話だ。それでこのタイトルなのだ。

映画の結末では、交換するのかしないのかは明らかにされないが、福山は6年間育てた息子を心から抱きしめる。

さすが賞をとった映画だけある。しかも驚くべきは子供たちの演技の自然さだ。いったいどうしてこうも他の映画と違うのだろうか。まるですべてアドリブで隠し撮りをしたとしか思えない自然さだ。

是枝裕和、恐るべし。

下手なイラスト

先日、久しぶりに会った親戚の叔母さんから、拙著『ようこそ卓球地獄へ』に対するお褒めの言葉をいただいた。

ただ一点、苦言を呈されたのは「絵、もう少しちゃんと描けないの?中学校の時と同じじゃないのよあれじゃ」ということだった。

マンガなど読まない70近い叔母さんにしてみれば、あのような絵は単に雑でふざけて描いているようにしか思えないのだろう。雑に描いていることは否定しないが「いえ、あの絵がいいっていう人もいるのであれでいいんです」と言っておいた。

まあたしかにこれはひどいかもしれない。

ちなみに、下の絵は私が18歳のときに官製はがきに描いてバイク雑誌に投稿したイラストだ。

バイクになど興味がなかったが、クラスメートが持ってきた『ヤングマシン』という雑誌のイラストコーナーにあまりに感心しているのを見て嫉妬した私が「そんなの俺でも描けるよ」「じゃ描いてみろよ」という経緯でその雑誌に載っていた写真を見て描いたものだ。

評者から「メカがぼけてる」と評価されたが、バイクのメカなど知らないのだから当然である。そこがわかったところがさすがバイク雑誌のイラスト批評家だと妙に感心したものだった。

そいういうことで、今卓球王国で私が描いている絵は「仮の姿」なのだ。まいったか。

Page 28 of 229« 最初へ...2627282930...最後へ »