念願のキング・クリムゾンのライブに行ってきた。何年か前に渋谷公演のときに入場券を忘れて入れなかった因縁のライブだ。
演奏は素晴らしかったのだが、またもや不愉快な思いをした。
公演が始まる前に、係員が動画や写真の撮影や録音を禁じるアナウンスをしていたのはいいが「スマートフォンの電源を切れ」としきりに言うのだ。マナーモードではなく「電源を切れ」なのだ。同時に「演奏が終わった後で撮影タイムがあるからそのときだけ撮影してもよい」とも言う。ご存知のとおり、スマートフォンは電源を入れてから写真撮影ができるようになるまでかなり時間がかかる。計ったことはないが1分ぐらいかかるイメージだ。これを一緒に言うということは、当然、その撮影タイムとやらは電源を入れて撮影できるようになるくらいの時間が確保されているとしか考えられない。
そこまで考えない「考えなし」である可能性もあるとは思ったが、あえて言うとおりにして撮影できなくて腹を立ててみるのも面白かろうと思い、係員の言う通り電源を切った。
結果がこの写真だ。撮影できたのはメンバーのほとんどが退場した後で、ステージには御大ロバート・フリップしかいなかった(泣)。
これはつまり、「電源を切れ」というのが言葉通りの意味ではなく「着信音鳴らしたり撮影したり録音したりすんなよ」ということの強調としてあくまで比喩で言っていたか、撮影タイムとのつながりが思いつかない「考えなし」のどちらかだろう。
それはわかったものの、いざやってみると腹が立つ度合いが想像以上で「面白かろう」どころではないのだった。ちなみに多くの客がすぐさま撮影していたので、明らかに電源を切っていなかった。自分だけ撮影できなくてこんなに悔しい思いをするくらいなら撮影タイムなどないほうがよかった。
これから行く人は、絶対に係員の言うことを真に受けてはならない。