世界ランクの歴史

水谷が世界ランクのトップ10に入ったとき、それが日本選手として何年ぶりだったのかネットで調べて見たが、出てこなかった。おそらく誰も確認していないのだろう。

2001年以降のランキングは普通に
http://www.ittf.com/_front_page/ittf1.asp?category=wr

にあるのだが、それ以前のはミュージアムコーナーに隠れていた。
http://www.ittf.com/museum/

それを各年の最後のランキングだけを拾って整理したのが下の表だ。こういう表は今まで見たことがないので快挙として誉めてもらいたい。日本選手にだけ色をつけてある。面倒なので外国選手の表記はアルファベットのままにして余計な数字などがはいったままにしている。

日本選手が最後にトップ10に入っていたのは1984年の斎藤清だった。したがって、水谷のトップ10は日本人男子選手としては実に26年ぶりということになる。さらにこの表を見ると、80年代後半からつい最近まで、いかに確実に日本選手のランクが落ち続けてきたかが分かる。一体何が原因でこんなにも落ちていたのか、究明する必要があると思っている。

西村卓二『指導者バカ』を読んだ

アテネ五輪のときのナショナルチーム女子監督、西村卓二さんの『指導者バカ』を読んだ。いろいろと面白かった。

以前から言っているように、やはり彼の指導の最終目標は「よき母親を作る」ことだという。

女子選手の指導者ならではの苦労や、ナショナルチームの監督になったときの体験談などが面白かった。会社の人間育成にも通じる本だということである。

荻村伊智朗の「51%理論」とともに紹介されている「三段論法」も新鮮で大変面白かった。

小学生の活躍

小学生が活躍したおかげでやっと全日本選手権をやっていることが世間に知れたようだ。

これがなければひた隠しにされていたところだ。

それにしても、伊藤美誠ちゃんが破った相手は東北福祉大の松田という選手だが、宮城県の一般チャンピオンで、間違いなくものすごく強いはずである。言っておくが、今の女子中学生の県チャンピオンですら、県内の一般男子の上位者なんかまるっきり相手にならないほど強いのだ。

10歳でそれを破るとは、いったいどれだけのスピードで上達したのだろうか。

「10歳で大学生に勝つなんて凄い」だけではなくて、その大学生はただの大学生ではなく、卓球エリートなのだ。これは、一般の視聴者には説明しないとわからないはずである。なぜわからないかといえば、卓球は相対競技だから、強い選手どうしの試合を見ても、その絶対値がわからないからだ。しかも回転の威力もわからない。馬琳と水谷の試合で、普通にツッツキをしているように見えても、実は我々が返せないほど速くて切れていたりするのだ。

こういうことを分かるようにするためには、やはりレーティングを導入するのが一番だろう。

速報やります

22日、23日と全日本を見に行く。思えば、2007年1月に水谷が初優勝をしたときに見てすぐにアメリカ赴任になったので、それ以来、全日本は生では見ていないのだ。

会場で試合を見ながらこのブログかまたは卓球王国の速報ページに速報を書こうと思う。ただ、世界選手権と違って一方を応援するわけにはいかないし、真面目なことは編集部員が書くので、どんなことを書こうかと思っている。

隣の席になるであろう編集部員たちのオフレコのつぶやきでも「リーク」するか。あるいは田丸さんのことでも書くか。

まあ、気分しだいだ。

卓球のニュースはどこいった?

先日、水谷の世界ランク報道に喜んだかと思えば、全日本をやっているというのに、携帯電話のニュースでは卓球の「た」の字もない。スポーツニュースを7ページ目まで繰って「大石がテニスで練習」なんてのが出てきてもまだ卓球は出てこず、結局最後の9ページ目まで見てもなかった。大石とは野球選手らしいが、卓球の全日本選手権は、野球選手がテニスをしたことよりも軽いのだ。まるで嫌がらせのようですらある。

しかしこれが現実だ。なんとかせねば。

年賀状パフォーマンス

毎年、なにやらおかしな文体で意味不明ながらも面白い年賀状を書いてくる友人がいる。他ならぬ、用具マニアの杉浦君だ。

実は私もかつては年賀状に凝っていて、お互いにいかにデタラメで面白いことを書くかを競っていたようなところがあった。最近では、雑誌の原稿やらブログやらで文章を書きまくっているので、すっかりそういう気力がなくなってしまった。

というわけで、杉浦君からの1988年、1990年、そして2004年の年賀状を紹介しておく。なにしろぶつけ本番で書いているので、2004年のなどはオチが見つからずに終わっている。この情けなさも楽しい。当然、コピーなどとっていないだろうから本人も覚えていないことだろう。

私も、自分がかつて書いたものを見たいものだ。

卓球バカたちの肖像

ブログの読者から、「年末年始の6日間の休みのうち、5日卓球しました」とメールが来た。あきれた卓球バカである。

今日は、近くの体育館で卓球をしたのだが、いつになく体育館の入り口がものすごい人だかりで、卓球場に行くのに人混みをかき分けなければならないほどであった。何の大会があるのかと覗いてみると、縄跳び競技の東北大会だった。縄跳びに青春を賭ける人たちもいるのだなあと自分のことは棚に上げて思った。

卓球場では、たまたま隣の台でやっていた少年たちに声をかけて一緒に練習をした。上手だったので高校生かと思っていたら、なんと中3だという。「受験勉強はしなくていいの?」と聞くと「してます」とのことだが、卓球も毎日しているそうで、今日も3時間もした。

こちらも頼もしい卓球バカである。

ひゃっほう~!

会社から駐車場に向かうときに何気なく携帯電話を見たら、目を疑う文字が飛び込んできた。

「卓球水谷、世界7位に」

の文字だ。

ああ。世界7位。水谷。卓球。なんという誇らしい文字だろう。なんと誇らしい我が同胞だろうか。水谷が世界7位になったことは知っていた。それよりも、こうして携帯のニュースに勝手に流れるようになったことが嬉しい。どういうオプションでこんなニュースが流れるのか知らないが、もしこれがauだけのサービスなら、すべての卓球人はこれだけでauにしてもよいくらいだ。

日本では卓球はメディアからずーっと冷遇されてきた。
昭和22年の卓球雑誌『卓球人』の記事にこういう一節がある。

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見上げると日劇の電光ニュースが美しく走っている。”東富士たたき込み汐の海”今日の大相撲春場所の成績だ。あの電光ニュースが”世界卓球選手権大会決勝、藤井3―0バーグマン”と光を乗せて走る様になったら、どんなに素敵だろう。おお、その時には電光ニュースよ、しばし止まっていろ。
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まだ日本が世界選手権に出てもいない頃の記事だ。

今、やっとその時が来ましたよ、と彼らに教えてやりたい。