70年間不食の人

インドで70年間、飲食をしていない人が見つかったらしい。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100511-00000044-jij-int

見つかっただけではなくて、医師が15日かけて24時間体制で検査をしたが、たしかに飲食もトイレにも行かなかったという。

いままでこういう奇跡みたいな話はいくらでもあったが、調べてみると必ずインチキか誤解だったものだが、今度は本当なのだろうか。仮に食事以外の方法でエネルギーを得ていたとして(光合成とか熱とか)、もっとも説明が難しいものがある。それは水分だ。人体は約70%が水分でできているのだが、その水分は肌の表面から必ず蒸発していく。行者だろうが超能力者だろうが、水は水である以上、蒸発は避けられない。それが70年間水も飲んでいないでどうやってミイラにならずにいられるというのだろうか。また、もしこれが本当なら、似た体質の人が普通の食事をすればとんでもなく太ることになり、太っている人に「そんなに食うからだよ」と批判したりするのは間違っているということにもなりかねない。

可能性は以下。

1.この人の体は水ではない液体からなっている(その時点でもう地球上の生物じゃないわけだが)
2.空気中の水分を取り込む能力がある
(医学的生物学的にありえないとは思うが、私にはそこまで断言する知識はない)
3.トリック(衣服の一部が食べ物になっていてこっそり食べていたなど)で医師団をごまかした
4.医師団含めてインチキ

残念ながら3の可能性が高いような気がする。トリックだとすればそれはトリックに精通していなくては見抜けない。当然のごとく、医師はトリックになど精通していないのだから、だますのはわけないだろう。

手品師の弟子たちが超能力を研究していた科学者たちを3年間にわたってだまし続けた「プロジェクト・アルファ」という歴史もあるのだ。https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェームズ・ランディ#.E3.83.97.E3.83.AD.E3.82.B8.E3.82.A7.E3.82.AF.E3.83.88.E3.83.BB.E3.82.A2.E3.83.AB.E3.83.95.E3.82.A1

不思議な話は簡単に信じてはいけない。そういう話には、当然、その不思議さに見合っただけの厳しい検証が必要だ。じっくりと検証してほしい。

ともかく結末が楽しみだ。

F君参戦

社内の卓球熱はまだ続いている。
毎日昼休みに5,6人が卓球をしていて、昼食を食べるのを惜しんでやっている人もいる。

最近、日本人赴任者のF君が加わり、場をにぎわしている。F君はほとんど卓球の経験がないため、野生の感でプレーをしているのだが、もともと運動神経が良いらしく、結構やる。ただ、ルールなど知らないので、サーブも適当である。

それを見ていたヘイステンというおじさんが「Fのサーブは違反が3つあるな」と言った。「オープンハンドになっていない、ボールを上げていない、エンドラインの内側で打っている」だそうだ。すべて私が教えたことだ。ここまで真剣に吸収している熱意に嬉しくなる。

ちなみに、こちらではスポーツのルール違反のことをillegal、つまり違法とか非合法と同じ単語を使うので、ちょっと大げさな感じで違和感がある。和英辞書で「反則」をひくとfoulsとかviolationとかいろいろ出てくるが、そう言う人は一人もおらず、常にイリーガルと言う。なお、ツッツキのことはpushと言う。じゃ、日本でプッシュという技術は英語でなんと言うのかというと、あんまりペンがいないので使う必要がないのだ。見たとしてもたぶんバックハンドとだけ言うんだろう。こういう、卓球の英語表現に親しんだだけでも赴任した甲斐があったというものだ。

びっくり症

いちいち何かに驚くびっくり症というのがあるようだ。妻がそうで、家の中でも私が部屋に入って行っただけでいちいちびっくりして「ギャーッ」と大声を上げられるのでこっちがかえってびっくりしてしまう。

最初の頃は面白かったが、20年近くも経つとだんだんと腹が立ってくる。しかし病気のようなものだろうから仕方がない。

先日も、風呂場の方で「ギャーッ」と騒いで私を呼ぶので、どうせたいしたことないんだろと思いながら行ってみると「何かが足を這ってるーっ!」となおも騒いでいる。それで足を見ると、服からほつれた30cmぐらいの糸が足に触れているだけであった。やっぱりか。

昨日は、郵便受けに郵便を取りに行って「ギャーッ」だ。隣の犬がやって来たためらしいのだが、後から「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」と荒々しい息遣いが聞こえたので「変態の人」が来たかと思ったというのだ。たしかにそんな変態の人なら恐ろしいけど、いるかそんな奴。

このびっくり症、どういう脳の構造がもたらすのだろうか。

ローガンズ

もうひとつ、アメリカのレストランを紹介しよう。

ローガンズというチェーン店で、ピーナッツが食べ放題なのが売りだ。店の入り口にドラム缶のような入れ物にピーナッツが置いてあって取り放題だし、各テーブルにもバケツにピーナッツが置いてある。さらに、店内ではピーナッツの殻を床に散らかし放題で、みんなわざと床に捨ててそれを踏んで歩いているのだ。

ピーナッツなんぞそんなに食えるものではないが、なんとなく開放的な気分になって、たまに入ると楽しい。

しかし料理のメニューはご覧の通りだ。息子たちはこんなものを昼食や夕食にするのに慣れたのだからたいしたものだ(わざとまずそうなものを撮ったんだけど)。

いざモスクワへ!

今年もモスクワでウエブ速報をすることになった。

大会後半の3日半だけの滞在になるが、完全燃焼したい。鍵はやはり日本勢の活躍だ。

世界選手権といえば、気になるのはテレビ放送の質だ。テレビ局のカメラ位置はいつも高すぎて、選手が小さくしか映らない。高いところから撮影すると、両方の選手が縦に離れて画面に入るので、画面に納めるためにはズームしたくてもできないのだ。だから、カメラの高さが映る選手の大きさを決定してしまう。
さらにコートからの距離もあるので、遠近感のない画面になる。小さい選手がスピード感のないボールを打ち合う画面なのだから、これで、迫力も何もない「死んだ画面」の出来上がりだ。

一方、コート近くの低いところから撮影した画像は迫力満点で、まるで別の映像となる。

下の写真は昨年の横浜大会の映像だ。皮肉なことに、ベスト16とかまではコートサイドからの撮影が結構あって素晴らしいのだが、決勝とか準決勝とか、プレーの質が高く重要な試合になると、放送局が力を入れて「死んだ画面」となる(笑)。なんという悲劇だろう。

横浜大会の前にテレビ東京に同様の提案をしたが残念ながら効果はなかった。今回も無駄を承知の上で、放送局に働きかけてもらうようロシア卓球協会にメールを出したがやっぱり返事も来ない。残念だ。来月号の原稿もこの件を書いた。

私が尊敬するリフレックス・スポーツのゲイリー・ルーダーマンもこれまで何度も放送局に、フロアのカメラをメインに使うよう進言したが、聞き入れられたことはないというから、私ごときがいくら言っても無駄なのだろう。

アメリカ食

今まで、アメリカの日本食レストランなどを紹介してきたが、意外にアメリカの典型的なレストランについてはほとんど紹介していなかった。

私自身、アメリカに来る前は、普通のアメリカ人が食べている料理はどんなだろうと思ったものだったが、いざ来てみるとあまり紹介する気になれなかった。それは、結局、アメリカの料理といってもハンバーグとかフライとかで、すでに知っているものばかりであり、あんまり珍しいものがないからなのだ。

たとえば今日の昼に行ったレストランのメニューは下の写真の通りだ。こりゃ、体に悪い(笑)。

水族館

ちょっと前にアトランタの水族館に行ってきた。世界一の水族館らしいが、何が世界一なのかはわからない。

水槽に囲まれたトンネルが面白かった。ポスターを見ると、そこに寝袋を持ち込んで宿泊できるサービスもあるようで、なかなか思い切ったものだ。

大きな水槽の前に「このパネルは日本の高松のニップラという会社で作られました」と書いてあった。こういうのを見ると日本人としてはやはり誇らしい気持ちになる。さぞかしすごい技術なんだろう。

カニの水槽を見ていたら、アメリカ人がニヤニヤしながら「This is making me hungry(見てたら腹へってきた)」と言った。ちょうど妻も「うまそー」と言っていた。誰でも考えることは同じだ。

サメのコーナーでは、化石を使ってその進化の歴史を説明してあった。息子たちが通っている学校では「進化論は間違った理論」と教えているのだが。ある先生などは「地球温暖化も神様が怒っているためだ」と言っているそうだ。神様もずいぶんとまた不確実で回りくどい戒めをするものだ。

宇宙人大百科の続き

3/14にも書いた『宇宙人大百科』からもうひとつ紹介したい。

この本には、ところどころ、宇宙人に関する本やSF映画も紹介されているのだが、その中に、タルコフスキーの『ストーカー』が紹介されていた。ストーカーといっても、性犯罪者の話ではない。ゾーンというところに行くと、人の本当の望みが叶えられる部屋があって、危険を覚悟の上でその部屋に行こうとするのだが、自分の本当の望みを知って絶望して自殺したり、それを知るのが怖くてその部屋に入れなくなったりといったような哲学的な話なのだ。

なおかつ、異様にゆったりとした画面なので眠くなることでも有名な映画ではあるのだが、こんなふざけた『宇宙人大百科』にこんな紹介のされかたをしているのが可笑しい。「鑑賞者がすさまじい睡魔に襲われ、爆睡してしまうコトでも知られる」なんて、いったいどんな映画よ。そこが大事じゃないんだが。

間違った情報が書かれているわけではないのだが、表紙がビートルズのパロディなことをはじめ、著者がいったいどういう読者を想定してこの本を書いたのかと考えると、なんとも可笑しい。