もうひとつの韓国レストラン

隣町のデルビルというところには、3つの韓国レストランがあることを知っていたのだが、赴任してから偶然、4つめを見つけた。名前はchoi’sと書いてチョイと読むらしい。

最初に見つけたときは、すでに食事の後だったので、メニューだけもらってきて料理を確かめることにした。このメニューが困ったメニューだった。普通は、こういう外国料理の場合には、料理の名前の後などに「ビーフの焼いたやつ」とか、「魚の煮たやつ」とか、料理の内容が書いてあるものだが、なんとこの店のメニューには、韓国語の後にアルファベットでその発音だけが書いてあるのだ。こんなメニューで一体どうやって選べというのだろうか。料理の内容はともかく発音だけはちゃんとしろということか。

そこで、食い物については並々ならぬ情熱を持っている妻が、インターネットを駆使してそのメニューを解読することに成功した。こんなメニューでよく探せたものだ。すると、メニューの中には、この辺りでは食べられないと思っていた冷麺や、ジャジャ麺、みそラーメンらしきもの(soy bean noodle soup)があることがわかってきた。

それで何週間か後に行ってみた。みそラーメンらしきものを注文すると、ウエイトレスが「誰も頼んだことがないのでできるかどうかわからない」と言う。厨房から戻ってくると、案の定「できないって」と言われた。できないものをメニューに載せておくのはこの辺りでは当たり前である。その上、メニューにないものが出てきたりする。違う店でそっくりのメニューもよく見るので、どうやらメニュー業者が作ったものをそのまま使っているだけだと思われる。

冷麺とジャジャ麺は意外にもとても美味しく、日本で食べるそれらと変わらない味であった。他にもうどんと天ぷらのセットなど、日本風なメニューもあり、もうちょっと近かったらもっと頻繁に行きたい店である。