偏光グラス(うんちくシリーズ)

うんちくシリーズだ。

今頃のアメリカ南部は日差しが強いので、車に乗るときにサングラスをかけることがある。サングラスには、偏光がはいっているものがあるが、偏光が入っていると何が便利なのかご存知だろうか。

偏光グラスによって、水面などの反射光を押さえられることは知っている人もいると思う。しかし、反射光ならなんでも抑えられるわけではない。

光は波である。自然界の光は、いろいろな方向に振動している波が混在しているが、これが面で反射すると、その面に平行な方向の成分が減って、垂直な方向の成分の割合が多くなる。すなわち、偏光される。一方、偏光グラスというのは、ある方向に振動する波だけを通すので、これを利用して反射光を抑えるものなのだ。

さて、ここで疑問が生じる。世の中には、いろんな角度の面に反射する光がある。サングラスをかけた人が顔を傾けたりすれば偏光の角度は変わってしまう。どうやってあらゆる反射光を抑えるというのだろうか。

実は抑えられないのだ。偏光グラスは、人間が直立した状態でかけたときに、水平な面で反射した光を抑えるように作られているだけだ。地球上のあらゆる水面は文字通り水平なので、すなわち、水面の反射光をカットするようになっているだけなのだ。

だから顔を横倒しにして水面を見れば偏光カットの効果はなくなるし、直立しているガラスなどの反射光に対しても偏光カットの効果はない。

下の写真は左から「偏光グラスなし」「偏光グラスあり(正常方向)」「偏光グラスあり(90度回転)」である。

そんなことを思いながら妻に運転をさせ、助手席であれこれ遊んでいた。こういうことを妻に話してもまるで相手にされないのでここに書くのであった。