仕事で若い世代と話しているときに、悪気がないとわかっていても言われると内心腹が立つ言い回しがある。「言ってる意味わかります?」だ。10歳以上も年下の後輩たちが言うのだから、失礼のつもりはないはずだし、おそらく自分の説明が十分か不安になってこう言うのだろうと思うが、この表現ではどう聞いてもこちらの理解力を問われているようにしか聞こえない。
「要領をえない言い方をしておいて『意味わかりますか』とはどういうことだ?」と思うのは私だけだろうか。
ところがこれ、英語では実によく使う。Do you understand?としょっちゅう会話に挟み込むのだ。異人種国家ならではの表現なのだろうが、それとは関係なく、私は英語がわからないことがしょっちゅうなのでこう聞かれてもしかたがない。
あるとき、マークという年配のおじさんがネロネロと訛った英語で私に説明をはじめ、とちゅうで聞くのをあきらめて生返事をしはじめたところ、隣で聞いていたマイクがニヤニヤしだした。あとで「なんで笑ってた?」と聞くと、ものすご~くゆっくりと”YOU DO NOT KNOW WHAT HE SAYS”(彼が言っていることわかってないだろ)と言った。クソ、見抜かれてたか。とはいえ、こういうときはunderstandのかわりに簡単にknowでよいことがわかり勉強になった。