悪口

先に、面と向かって「変わってる」と言われるので多分悪口ではないんだろうと書いたが、悪口というものについては、面白い考察がある。

他人の悪口というものはよく言うものだが、男と女ではひとつ明確な違いがある。それは、誰かが他人の悪口を言ったのを聞いたときに、それを悪口を言われた本人に伝えるかどうかだ。そういうことをする男は、今までの人生でたった一人しか見たことがない。まず、悪口を言う人は本人に伝えられる前提では話していないので、伝えたりしたら悪口を言った人に対する裏切り行為になるので、その人からの信頼を失う。また、伝えられた人にしてみても、悪口を言った人よりもむしろそれを伝えた人の道義心のなさにあきれ果てることだろう。こう考えると、本人に伝えるメリットなどどこにもないし、あり得ないことのように思える。これが私の感覚だし、多くの男性はそうだろう。

ところが、妻と結婚してしばらくして知ったのは、女性同士の間では、恐ろしいことにこれが当たり前のように行われているというのだ。どういうつもりで伝えるのか聞くと「あの人はあなたのことをこう言っていた。あの人には気をつけたほうがいい。私はあなたの味方だから教えてやっているんだ」というニュアンスらしい(もし男がこんなことを言われたら、気をつけなくてはならないのは目の前のその人だと誰でも思うだろう)。またあるときは、そういう建前のもとに実は本当は自分も悪口を言った人と同じ考えで、その人をいじめる意図の場合もあるという。また、悪口を言った人も、本人に伝わることをある程度想定してイジワルで言っているという。まあ、自分も伝えることがあるんだから当然だわな。しかも一見仲のよさそうな人同士もお互いに影で悪口を言い合うので、いったい、誰と誰が本当の見方で敵なのか入り乱れていてまったくわけがわからないのだそうだ。

これほどまでに男と女は違うものかと愕然としたものだった。