墓の話つづき

墓の話を読んだ友人から電話が来て、それにまつわることを話した。

その友人は、先日、祖母の7回忌があり、すでに亡くなった父に代わってそれを取り仕切ったという。お坊さんを頼むのは嫌なので、彼が自分で手に入れたお経を棒読みをしたという。参加をしていた親戚たちは「○○らしくていい」と言っていたらしいが、やはり後で方々から不満が声が聞こえてきたらしい。無理もない。素人がお経を棒読みをするくらいならやらない方がマシとも言えよう。

その友人がお坊さんを頼まなかったのには理由がある。もともとその祖母は、あるお寺の檀家だったのだが、亡くなった時には100キロも遠くの家(その友人の叔父の家)に住んでいたこともあって、別の坊さんに葬式を出してもらったのだという。それで亡くなって何回忌だかのときにそのもとの坊さんに頼んだところ、葬式を別のところで出されたのが面白くないらしく「お宅とは縁が切れたと思ってください」と断られたのだという。そんなわけで、その友人は、二度とそんなクソ坊主に頼むものかと思い、今回、自分でお経を上げることにしたのだという。

友人のお経に対して文句を言い出したのは、その祖母を最期まで世話をしていた叔父だという。祖母の生前は、さんざん邪険に祖母を扱い「あの家に帰るぐらいならここで死にたい、殺してくれ」と友人に泣きながら訴えたほどであるのに、死んだ後のくだらない儀式に金を掛けなかったのが不満だというのだから呆れる。

私も友人も、霊魂などないと思っていて、あくまで人間主義なので、そういうまやかしやインチキを人間よりも優先するかのようなバカな話にはとうてい納得できないのだ。