被災4

王国編集部には初日の夜から電話を掛け続けていたのだがつながらず、心配をかけた。海から2kmしかない私の住所から考えて、かなり心配をされていると思っていた。

地震から3日め、公衆電話に1時間並んでやっと編集部に電話をし「私の追悼号は不要です」と無事を知らせた。

公衆電話の列に並んでいるときに見ていると、電話をしながら泣き崩れる人が何人かいた。次が私の番というときに、電話をしている人が話し終わって別のところにかけようとしたら後の方に並んでいたオバさんが「ひとり1件までですよ!」と怒鳴った。私は「そんなことありませんよ。複数のところに掛けたい人だっているんですから、手短かにすればいいじゃないですか」と言い、何人かがそれにうなづいたが「他にかけたいんだったらもう1回並んだらいいんですよ」とゆずらない。自分が1ヶ所しかかけたいところがないものだから、他人にはもう1回、1時間並んで掛けろと言うのだ。「みんな待ってるんですからね」とさもそれが公平なように言う。自分が早くかけたいだけなのだ。

無視して私は2ヶ所にかけた(本当は4ヶ所にかけるつもりだったが気まずくなってやめた)。

近所の八百屋でも、普段から自分勝手で有名だというおばさんがレジに横入りしようとして店員に拒否されていた。外国ならこういう人が多いのだろうが、日本ではごく少数だ。