チャリティーコンサート

初めてチャリティコンサートというものを知ったとき、ものすごく違和感があった。
最初、コンサートでどうやって寄付をするのか不思議に思ったものだ。恵まれない人をコンサートに招待するのだろうか、あるいはもしかして、恵まれない人たちを元気付ける歌でも歌うのだろうかなどと考えたのだ。

そうではなくて実は、コンサートの利益を寄付に回すのだということを知ったときの違和感はどうしても忘れられない。お金を払うのは裕福ではない一般人であって、裕福と思われる主催者側はただ演奏して歌うだけというのが腑に落ちないのだ。もちろん、演奏して歌うだけで経費がかかるし、本来、自分の利益になるはずの分を寄付するのだから、私財を寄付するのと同じことなのはわかるのだが、どうにも釈然としない。

「個人で寄付する金額には限界があるがコンサートで大勢の観客の入場料を集めれば大きな金額になる」という理屈もあるだろうが、それならそのアーティストは、普段はそのコンサートの収益をたっぷりと手にしているわけで、1回のチャリティーコンサートで得られる程度の金額の何倍もの資産を持っているはずである。わざわざコンサートなどして他人に金を払わせるのではなくて、自分の資産を寄付した方がよっぽど早いし直接的である。

金持ちは寄付すべきだと言っているのではない。チャリティコンサートなんてまわりくどいことをするくらいならただ自分の金を寄付した方が良いのではないかと思うだけだ。

孫正義が100億円を寄付することにしたそうだ。流石である。もっとも彼はコンサートしようにもできないわけだが。孫が小話しとかカラオケをしても客は30人くらいのものだろうしな。