「真剣交際」

よく芸能ニュースで誰々が真剣交際をしているという話がでる。これを見るたびに何か気まずいような気持ちになる。真剣勝負というなら分かるが、真剣交際である。竹刀や竹光ではなくて本物の刀を持ってどうやって交際するのだろうか、なんて考えてしまうのだ。もちろん「本気で交際している」という意味であることは分かるが「真剣」という言葉の本来の意味と「交際」があまりにもかけ離れているために何か可笑しくなってしまうのだ。あたかも「温厚な人柄では他の追従を許さない」とでも言われているようである。

その意味するところも気になる。真剣交際があるということは、真剣でない交際もあるということだ。では、たとえばそれはどんな交際をいうのだろうか。不純異性交遊といのもあるが、これは未成年のくせに早々といろいろすることを言うのだから、成人の真剣ではない交際とは違う。あるいは、片方が片方を騙して交際していることを言うのだろうか。はたまた結婚するつもりがないのに交際しているとか、好きでもないのに交際しているとかをいうのだろうか。あるいはムチャクチャ乱交しているとか。そもそもそれは交際ではなだろう。いずれにしても、ことあらためて「真剣交際」などといわなくても、ただ「交際している」で良いではないか。

とにかく、二人で刃物を突きつけ合っての交際だけは無理だと思うのだがいかがだろうか。