年別アーカイブ: 2012

ラケット論

今月発売の号の原稿にラケットのことを書く。私の言いたいことは、ラケットの性能は弾みと重さだけで決まるので、その情報をすっきりと宣伝してくれればいいというものだ。もちろん弾みは重さにも影響を受けるので、材質だけではなくて、実際に人間がラバーを貼ったラケットを手に持って打球をした場合の賞味の弾みを「弾み」と定義しての話だ。

ラケットの弾みがどれくらいが適正かは人によって違うので、適当なのを選べばよいが、その適正な弾みを与えるラケットのうち、もっとも軽いラケットが偉いというのが私の考えだ。言うまでもなく、ラケットは軽いほど素早いラケット操作ができるからだ。ラケットが軽すぎると相手のボールに押されるという話も聞くが、それは弾まないということだから「適正な弾み」という前提から外れているだけのことだ。軽くて押されないラケットを選べばよい。相手のボールの威力によって弾みの序列も変わるというなら、そういうデータこそ欲しいところだ。

そこで、業界のリーディングカンパニーであるバラフライのホームページで公開されているラケットの弾みと重さをグラフにしてみた。弾みは「スピード」としてグラフに表示されているプロットから読み取って私が数値化した。重さは各ラケットの詳細データで平均値として載っていた数字を採用した。

重いほど弾みがよい結果になるかと思ったが、結果はご覧のように、極めて弱い相関しかない結果となった。新素材は重さのわりに弾みがよいことが分かる。また、単板も合板よりは弾みが良いことがわかる。「朱世赫」や「ディフェンスプロ」「デイフェンス2」といった守備用ラケットは、ブレードの面積が大きいために重めになっていることを付け加えておく。

私の考えは、ラケットは軽いほど有利というものだから、好みの弾みに応じて80グラム以下の製品、つまり「アイオライトNE」「イシュリオン」「メイスパフォーマンス」「ビスカリアライト」あたりから選べばよいということになる。

遠心力をスイングに使えると思って、遠心力を増すために重いラケットを使う人がいそうだが、本末転倒だ。遠心力はスイングによって生じるものであり、それをスイングには使えない。自動車レースで、パワーのあるエンジンほど重い傾向にあることから「エンジンは重いほど力が出る」と誤解をしてエンジンに重りをつけるようなものだ。

正月早々、こんなことを考えたのは、ラケットを選ぶときにわけのわからない情報が多すぎて選ぶのに苦労したからだ。その選ぶ作業が楽しい人にとっては今回のような単純化はよけいなお世話ということになろう。こんなことをするとまた側近の者から「ヒマですねえ」なんて言われそうだが、ヒマどころかこの作業で忙しかったのだ。

骨盤ほぐし

夕飯を食べにイオンに行ったのだが、その一角に『骨盤ほぐし』のコーナーがあった。マッサージの類らしいのだが、まるで柔道かプロレスの極め技のように恐ろしい名前である。どう考えても命の保証はなさそうだ。

どんなものかと思って写真を見ると、骨盤をほぐしているような写真はなかった。しかもモデルは白人。どういうことなのだろうか。

元旦のネットカフェ

昼はやることもないので近くのネットカフェに一人で行ってきた。元旦のネットカフェにはカラオケの客は次々と入ってきたが、マンガ喫茶コーナーにはほとんど人がいなくて、気温も結構低くすっかり寒くなってしまった。

『カバチタレ!』を読みに行ったのだが、途中でかわぐちかいじの『僕はビートルズ』が目に入り、最新巻の第7巻までを完読した。ビートルズのコピーバンドをしている若者4人が、偶然、ビートルズがデビューする直前の時代にタイムトリップする話だ。4人は本物のビートルズよりも先にビートルズの曲を次々と発表する。それを聞いたデビュー前のビートルズがさらにすごい曲を書いてくれるに違いないと思ったからだ。ところがジョン・レノンはあまりに完璧な4人の曲(本当は彼らが将来書くはずの曲なのだが)を聴いてショックを受け、デビュー前にビートルズを解散してしまう。4人は世界からビートルズを奪ってしまった責任を感じ、自分たちがビートルズの曲を世界に残す決意をするが、あまりに簡単に完璧な曲を作る彼らの素性に疑問を持ち始める人が現われ・・という話だ。作者のかわぐちかいじは、ビートルズの音楽の素晴らしさを間接的に描きたかったという。まさにその通りの内容で、読んでいて何度も鳥肌が立った。

その後、『ガラスの仮面』のいいところを飛ばし読みし、『カバチタレ!』を4冊読んだら7時間も経っていた。

途中、天婦羅ソバ+塩カルビ丼セットを注文して食べたが、大変に美味しくなかった。私はだいたいこういうメニューで美味しくないということはないのだが、なにしろソバの汁がお湯のように薄いのだ。ソバのタレの濃度をケチっていったい経費がいくら浮くというのだろうか。「糖尿病のためには塩分を控えた方が良いのでこれでよかったじゃないか」と思うことにした。つづいて手をつけた塩カルビ丼は、ご飯は水分が多すぎてカルビは脂身が50%以上の面積を占めるもので、こちらも「カロリーを抑えるためにはちょうどよかったじゃないか」と思うことにして半分だけ食べて残した。

まあまあ印象深い元旦となったのであった。

初夢

元旦の朝、とても不愉快な夢を見た。

会社の前社長となぜか私が卓球の試合をすることになったのだ。前社長とは話したこともないし卓球経験者でもないのだが、なぜだか卓球の試合なのだ。ところがいざ試合をしようとすると、その前にプレゼンだの打ち合わせだのがあって、なかなか試合ができない。結局、試合どころか卓球台もラケットも出てこないうちに夢は終わった。まったく不愉快である。ちなみに、その前社長がペン裏ソフトであることだけは確定しているのであった。年配者であるがゆえのことだろうか。

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