東北弁の濁音についてさらに規則を見つけた。ドラマ制作者は参考にしてほしい(読んでいないかそんな人)。
日本語の濁音は「が行」「ざ行」「だ行」「ば行」「ぎゃ行」「じゃ行」「びゃ行」だが、これらのうち、東北弁として出てくる濁音は「が行」「だ行」に限られることが、書いてみてわかった。「が行」と「だ行」の10音はすべて使われる。例を示そう。
が行: 聞がない、聞ぎます、聞ぐ、聞げ、聞ごう
だ行: 書いだ、みぢ(道)、なづ(夏)、書いで、俺ど
他の規則として
・名詞の頭の音は濁らない。例:影を「がげ」とは絶対に言わない。例外:なんてごど言うんだ
・直前の音が「っ」のときは濁らない。例:雨だっだ とは言わない。
・直前の音が「ん」のときは濁らない。例:本当を「ほんどう」とは言わない。
・直前の音が無声音の場合には濁らない。例:ちがい(近い)とは言わない。「ち」が無声音だから。「聞かない」の場合は、標準語では無声音である「き」を有声音にした上で「が」と濁る。
・西洋からの外来語は濁らない。例:ラケットをラゲットとは言わない。
・歴史が浅い単語は濁らない。例:携帯電話を「けいだいでんわ」とは言わない。しかし自転車は「じでんしゃ」と言う。
・漢語よりは和語の方が濁ることが多い。漢字で言えば、音読みよりは訓読みの単語の方が濁る場合が多いような気がする。例:「わがる」とは言うが「りがいする」とは言わない。
今、あまちゃんを見ていたら「緊張感」を「きんちょうがん」と言っていた。有り得ない。こういうちょっと堅い単語や専門用語は濁らない。でもまあ、わからないよなあこんなの。自分でも、自分の中の何がこうも確信をもって濁音の有無を断定できるのかわからないんだから。まあちょっとした標準語と東北弁のバイリンガルの風情である。