月別アーカイブ: 6月 2014

書籍の目次

書籍の目次を紹介したいと思う。これまで発表した雑誌のコラムをテーマごとに分けて、章とした。

なんとなく楽しげな雰囲気が伝わるのではないだろうか。

あと、卓球王国の宣伝ページに使われている挿絵もなかなか良い味を出しているので紹介しようと思う。

まあ、いずれも私のイラストなので字義どおりの自画自賛ではあるが。

ご安心を

本を購入する際に、どんな話が収録されているのか気になる方もいると思いう。特に、一部で「面白いけど子供に見せられない」という評判をいただいた「さやわかな下ネタ」は、その点を考慮して今回は外してあるのでご安心いただきたい(続編を出すことになったらそのときは覚悟しておいてもらいたい)。

祝!書籍化

7月中旬に、念願の私の単行本が出ることになった。もう自分で祝ってしまおう。

卓球王国で2006年から連載をした『奇天烈逆も〜ション』103本から62本を選んで一冊にまとめたものだ。今日発売の卓球王国の124ページに広告が載っている。

タイトルは『ようこそ卓球地獄へ』で、サブタイトルは★卓球マニア養成ギプス★だ。サブタイトルに特に意味はないが、当初はこちらがタイトルだった。面白いが意味が解らないので、最終的にわかりやすいタイトルにしたのだが、捨てるのも惜しくて残したというわけだ。カバーには卓球王国創刊当時「連載させてほしい」と送り付けて断られた4コママンガ『スコンク先生』を配し、「卓球天国への階段」と題したあとがきもつけた(もちろんレッド・ツェッペリンの「天国への階段」の引用だが、わかる人だけわかればよい)。まさに卓球一色の本となった。

広告にも書いてある通り、卓球、いや、スポーツを題材にしたユーモアを中心とした書籍は世界初だろう。ギャグマンガは過去にもあったが、それはあくまで登場人物が活躍する舞台としてスポーツがあるだけで、スポーツそのものでギャグをやっているわけではない。そもそもスポーツとユーモアは合わないのだから無理もない。当然、売れ行きが心配だが、今野さんによれば卓球マニアは500人はいるので500冊は売れるだろうとのことだ。これは一体、喜んで良いことなのだろうか。

台湾の光景

台湾の食事はすべてがとても美味しかった。現地の赴任者が安くておいしい店を知っていて、そこに連れて行ってもらったからだ。といって、観光客用の店がまずいわけではなくて、とても美味しかった。

現地の年配の方は結構な確率で日本語を話す。しかし表記となると難しいらしく、あちこちに奇妙な日本語が散見された。

また、当然のことながらすべて漢字で書かれていて、なんとなく意味が解るのだが、それが微妙に面白い。

和風美人腿(もも)というのがレストランにあるのだから面白い。これはどういう意味なのだろうか。まさかとは思うが・・・。

多くは語らないが、ともかく美味かった。

街に溢れる漢字もイマジネーションを掻き立てた。

魔法のような歯医者らしい。

やっぱり可愛い髪型に切ってくれる床屋なのかなあ。あるいは髪の毛の医者かな。

儲け話があるから聞けってことかなあ。あるいは夫婦でよく話し合えとか。

台湾の卓球場「媽媽桌球俱樂部」

卓球用品店を後にした私はそのままタクシーに乗って、卓球場へ向かった。卓球をなんと発音するのかタクシーの運転手さんに聞いたが、まずその質問の意味を伝えられず四苦八苦した。いくら聞いても「ピンポン」と言ったり、「その卓球場は知らない」というそぶりだ。最後に「発音」と書いたらわかってくれて、「ツァオ・ツィオー」と教えてくれた。私が真似をするとかなり違うらしく、何度も何度も言われ、しまいには「ツィオー」のところだけ6回ぐらい言わされ、最後に「チ」だけを10回以上言わされたが、最後まで彼のお気には召さなかったようだ。それもそのはず、私には彼の「チ」と私の「チ」のどこが違うのかまったくわからなかったのだから直しようがないのだ。

そんなこんなで、目的の「媽媽桌球俱樂部」に着いた。媽媽はママと発音し、要するにホビープレーヤーを対象とした「ママさん卓球クラブ」だということが後でわかった。ウエブサイトには日本語表示もあった。http://mamapingpong.com/japanese.htm

入り口を入ると地下に降りる階段があって、目の前に楽しげな卓球クラブが現れた。中国語の文字の雰囲気も手伝って、さながら極楽に来たようであった(大げさだが)。

雑然としたカウンターは日本の卓球クラブと似たようなものだ。

鳥小屋のように金網で囲われた台もあって楽しい。明らかに素人の親子が延々と多球練習をしていたのだが、子供がラケットにさっぱりあたらないのにランダムのコースでボールを出す練習の効率の悪さに、すんでのところでアドバイスをするところだった。

店主の女性によれば、このクラブは創立40年で、もともとは彼女の母親が始めたものだという。その母親とは、元台湾代表の桃足という選手で、お父さんも卓球選手だったという。

私が「日本から仕事で来ているが卓球が大好きで、日本の卓球雑誌に記事も書いている」と吹いたら(嘘でもないんだが)、喜んでいろいろと説明してくれ、卓球までやらせてくれた。

会場にいた選手は、コーチの二人を含め私の相手にならなそうなへんてこなフォームだったが、いざ練習をしてみると、まったくノーミスである。最初の10本ぐらいすべて私のミスでラリーが終わるのだ。これはただ事ではないと思い、試合形式の横下サービスを出したところ恐ろしく短く切れたストップをされてノータッチを食らった。なんだなんだなんだ。こちらがスーツで外靴だったとはいえ、これはない。聞くと週に3日は練習しているという。たぶん試合をするとスコスコにされるのだろうな、という認めたくない予想が立ったので、礼を言って卓球を止めた。相手は英語を話し私を「素晴らしく基本ができている」と褒めてくれたが、そんなものができてもストップをノータッチじゃ話にならない。日本の卓球はどこか間違っているのだろう(私の卓球を勝手に日本に拡張してやった)。

卓球地獄だ。

ショーケースに面白い絵があったので由来を聞くと、ここで強いママさんに負けた男性が腹いせに「この女はオオカミなのに違いない」という意味を込めて描いたものだそうだ。「この人は絵の天才なの」と言っていたが、どこがだろうか。

最後に、この卓球場の広告が載った新聞をいただいて帰ってきた。楽しいひとときだった。機会があったらまた行きたいと思う。

見出しの「街頭夜猫族」ってのがなんとも楽しい。宮根さん、意味教えてください。なんとなく見当はつきますが。

台湾の「麒麟卓球用品店」

今週は仕事で一週間台湾に行ってきた。仕事だからもちろん卓球のことなど頭になかったのだが、タクシーで移動中に「卓球」の文字がなんと二度も目に飛び込んできたではないか。ひとつは卓球用品店、もうひとつは卓球場だ。完璧だ。これは「行くな」と言う方が無理である。早速場所をメモして、仕事が終わった金曜の夜に行ってきた次第だ。

まずは「麒麟卓球用品店」だ。麒麟とは日本語ではキリンだが、中国語でどう発音するのか聞くのを忘れた。

行ってみると、なんともさびれた古い感じの店で、店内の壁には藤井則和やバーグマン、ヘタするとそれ以前の写真が大きく引き伸ばされて飾られていた。79年頃のハンガリー男子やら83年東京大会やらの写真もあり、どうやら80年代で時間が止まった店なのであった。写真撮ってよいか聞くと「オーナーがいないので判断できない」との返事で、しかたなくこっそり撮った(どう考えても問題あるとは思えない)。

ご覧のように、骨董品屋というわけでもないのだろうが、自然に卓球の骨董品屋になってしまったという感じの店なのであった。

しかしラケットやラバーはちゃんと新品が売ってあって、なぜかホッとした。ド田舎に行ってセブンイレブンを見つけたような気持とでもいおうか。

ガラスケースには、もう何年も誰も買っていない感じで、キーホルダーやボールケースなどの小物が飾ってあった。念のために下の方に隠れてあるのを見せてもらったところ、突然、お宝がぞくぞくと出てきた。

89年ドルトムント大会のメダルだ。誰かのメダルかと思ったらさすがにそうではなく、単なる記念品らしい。もう無条件でゲットだ。

こちらはガラスの中に卓球台が封じ込められてある灰皿だ。タバコは吸わないので灰皿は使わないのだが、こんな粋なものを見せられたら買わないわけにはいかない。だいたい、私が買わずに誰が買うのだこんなもん。ガラスが曇っていて、いくら拭いても取れなかったのが残念だ。

極め付けがこれだ。ハンガリーの3銃士とステパンチッチ、シュルベクにセクレタンのコースターだ。こんなもん、買わずにいられる卓球マニアがいたら教えてほしい。こんなのが重ねられて袋に入って下の方に埋もれていたのだ。写真は明らかに77年バーミンガム大会のものだ。私に買ってもらうために実に37年間もこの「麒麟卓球用品店」で眠っていたのだ。

さらにニッタクの名刺入れだ。こんなのまで買ってどうすると言われそうだが、そういう問題じゃないだろ?ん?

ついでに、中国語も読めないのに、迫力ある指導書を買って締めとした。

死にそうな練習だ。